『美味しんぼ』第87話「もやしっ子」の感想
1991年5月7日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第87話「もやしっ子」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第101話)
あらすじ
富井ヒトシの運動会
富井副部長に妻から突然の電話。電話に出るなり、妻のために今朝焼いた卵焼きが失敗したことを弁明しますが、要件はヒトシが欠席していると学校から問い合わせが来たことでした。誘拐されたのかと思って慌てて会社を飛び出そうする富井でしたが、ヒトシはタクシー運賃1万3000円を使って1人で会社まで来ていました。要件は「今度の日曜の運動会について」。
富井からCOFFEEUCGに呼び出された山岡と栗田は、法事で出場できない富井夫妻に代わってヒトシと運動会の家族競走に出ることを依頼されます。
しかし、運動会でヒトシの同級生・マサシが「モヤシ」と揶揄され、ヒトシが傍観しているのを見て、山岡はマサシと一緒に走ることにします。
ヒトシの改心
傍観はイジメに加担しているも同然、という山岡の説教で目が覚めたヒトシは、再び会社を訪れて山岡に助けを請います。
山岡はマサシとモヤシ料理を作り、給食でクラスメイトに「モヤシと薄焼き卵の細切り」と「モヤシのフカヒレスープ」を食べさせると、皆反省してイジメは解消されます。
登場した料理、食材
給食で出たモヤシ料理
- モヤシと薄焼き卵の細切り
- モヤシのフカヒレスープ
どちらもモヤシの頭と根を1本1本丁寧に取り除いたものを使用。
感じたこと
士郎がカッコ良すぎる
- 珍しく私服(Doscoiのパーカー)
- イジメという名の犯罪に対する厳しい態度
そらクリコも惚れますわ。
教育としてどうなのか
途中までカッコいいと思っていたものの、山岡のイジメ解消法には問題があります。
- モヤシが豆の芽であり、成長すれば力強い植物に生長すること(作中では「豆の木」と表現)
- 料理に入れても美味しくなる
- 栄養も豊富
「モヤシはこんなに優秀で、揶揄する対象ではない」とか「だからモヤシの真価が分からない者は愚か者」とかいう論調だったんですけど、詰まるところ「マサシにも価値があるから虐めるのはおかしい」ということですよね?これは明らかに間違いです。
たとえ将来に亘ってどれだけ弱くて無能で虚弱であろうとも、イジメをしてはいけませんし、イジメは犯罪なんですよ。
士郎の指導内容は損得勘定、優生思想から来るものであると言わざるを得ず、恐らく実際には士郎自身が抱いているであろう真っ当な道徳心から来るものとは乖離があるように思えました。
もやし、漢字で書くとカワイイ
萌やし。なんかちょっと可愛いですよね。
- 萌ゆる
芽が出ること。
- 萌やし
発芽させる意味の「萌やす」の連用形。
本来は穀類の新芽作物一般を指す言葉なのでワラビ、タケノコ、カイワレ大根、ブロッコリーなどの新芽作物も全てモヤシの一種ということになります。
ですが、近世に緑豆モヤシが大普及したため、単にモヤシと言った場合は緑豆モヤシを指すことが多いんだとか。
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