『美味しんぼ』第43話「飲茶」の感想

1990年1月23日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第43話「飲茶」をアマゾンプライムビデオで見ました。(美味しんぼTVシリーズ第56話)

あらすじ

星村外務大臣の依頼

星村外務大臣は東西新聞社を訪れ、大学の先輩である大原社主に相談を持ちかけます。

その相談とは、陳国家副主席が日中親善のため訪日した折に接待で美食倶楽部に案内したいというもの。しかし美食倶楽部は会員制な上に海原雄山は政治家嫌い。そのうえ大原社主も海原雄山を煽ったせいで既に会員ではない。

そこで、山岡は唐山陶人を差し向けて説得を図りますが、目的や経緯をしった海原雄山は師匠 唐山陶人の頼みでも突っぱねます。

大原社主の美食倶楽部強制退会については12話参照

海原雄山を聘賓樓 (へいひんろう)へ招待

広東省出身の周懐徳にいくと、彼は「陳ところの鼻垂れ坊主に振り回されて」と笑います。周懐徳は陳副主席と幼少の頃によく遊んだ仲で、在日華僑として知り合いでした。

周夫妻は馬場社長と夫人の招待という体裁で訪ねた美食倶楽部の帰りに、海原雄山に聘賓樓(聘賓楼、ピンビンロウ、Pìn bīn lóu)への招待を約束します。

聘賓楼での飲茶尽くし

聘賓楼で供された飲茶のどれもが海原雄山を唸らせます。そして、この飲茶を作ったクックが美食倶楽部に行きたがっていることを知ると、海原雄山は直々に招待すると確約します。しかしクックの正体は陳副主席でした。

登場した料理、食材

アニメで表記されている料理の名前は広東語(粤语、Yuèyǔ)のようですね。普通话とは明らかに違うピンインのものが見られます。下記では、作中のフリガナと、普通话のピンインとフリガナを併記します。漢字は簡体字です。

聘賓楼で供された料理

鮮粉果(シンフェンクゥオ、xiān fěn guǒ、シエンフェングオ)

蒸し餃子。

蜂巣茘芋角(フォンチャオライウークゥオ、Fēngcháo lì yù jiǎo、フェンチャオリーユィージアオ)

八頭(やつがしら、里芋の一種)を潰したもので皮を作り、五目の具を包んで揚げたもの

鱼翅餃(ユィーチーカオ、ユィーチージアオ、yúchì jiǎo)

フカヒレの餃子。

鱼片粥(ユィーピンチョ、ユィーピエンジォウ)

香菜(シャンツァイ),鱼胶(ユィージアオ?)の入ったスープ。

豉汁蒸排骨(シーチャーチンパイクゥア、Chǐ zhī zhēng páigǔ、チージージェンパイグー)

中国風納豆と豚肉を一緒に蒸したもの。(大徳寺納豆のようなもの)

三星釀烧売(サンシンヨンシューマイ、sānxīng niàng shāo mài、サンシンニアンシャオマイ)

チャーシュー、椎茸、鶏肉の三色シュウマイ。

芝麻球(チーマーカオ、Zhīma qiú、ジーマーチォウ)

表面に白ごまをまぶし、中に黒ごまの餡を詰めたもの。

菓容橴葉角(オウヨウタンイーカウ、Guǒ róng zǐ yè jiǎo、グオロンズーイエジアオ)

半透明の白い持ちを青紫蘇で包んだもの。具はココナツ、金柑、冬瓜の砂糖漬け、スイカのタネなど。

あんこトンカツ

ラストで大原社主が星村外務大臣から逃げる理由は、星村外務大臣の得意料理があんこトンカツだったから。アニメでは下卑た料理という扱いで終わっていますが、あんこカツって実在するんですよね。

京都市山科区にあるお食事処 和(なごみ)です。しかも美味しいらしいのでちょっと気になる!

感じたこと

雄山のポリシーにうっとり

師匠の唐山陶人があんなに頼み込んでも自分のポリシーに従って断るシーンに感服しました。自分の信じることに上も下もない。

芝麻球を食べる雄山にキュン

雄山がアツアツの芝麻球を食べた時の「ハフハフ、ぅんっ・・・あつぅい」が可愛い。

ラストの雄山にほっこり

海原雄山は全てが士郎の差し金だったことに気付きますが、息子の成長にどこか満足げで面白い。