『美味しんぼ』第49話「大地の赤」の感想
1990年3月6日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第49話「大地の赤」をアマゾンプライムビデオで見ました。(美味しんぼTVシリーズ第62話)
あらすじ
トマト色の釉薬
冬。
数年前から友人の画家に器の製作を頼まれていた唐山陶人は、夏に食べる枝豆を盛るためのトマトのような赤い器を何度も焼き直していましたが、山岡が手伝いに来た折に足を負傷して入院してしまいます。
見舞いに訪れた海原雄山は完熟トマトを差し入れますが、同席していた山岡はいくつかの理由を挙げて、間違った無農薬栽培について指摘します。
有機農法の堆肥に使われる針葉樹のおがくずには作物の根にとって有害なリグニンが含まれていること。
稲や藁を堆肥に使う場合、稲や藁が農薬まみれの場合もあること。
鶏糞にも、抗生物質や配合飼料で育てられた鶏の糞
そしてもっと良いトマトを食わせると約束してハウス栽培の農園へ案内します。
ビニルハウス栽培のトマト
一行は、緑健農法を開発した永田先生が指導する石山さんのビニルハウスを訪れます。
本来のトマトなら糖度が4度程度なのに対して、石山さんの作るトマトは糖度7度から12度の甘みを持ち、比重が大きく水に沈むほど。トマトの原産地であるアンデス高地の環境を再現し、痩せた土で極限まで水を減らして栽培していました。
大地の赤
唐山陶人はこのトマトの赤に刺激を受け、焼き上げた器を大地の赤と名付けます。
登場した料理、食材
緑健農法トマト
実は永田さんと緑健農法は実在するんですよね。
- 緑健農法(りょっけんのうほう)
永田照喜治(1926年 – 2016年 )が創始した農法。
必要最小限の水と肥料で作物を育てる農法で、様々な呼び名がある。- 断食農法
- スパルタ農法
- 緑健農法
- ルーツ農法
- ビニルハウス
雨除けのため。
- 水
従来の1/10~1/100程度。水分を求めて大きく根を張り、茎には毛が生え、虫を捕食する。
- 土
山から掘り出した、礫の混ざった痩せた土。
- 肥料
窒素、リン酸、カリウムを混ぜた混合液をごく少量だけ与え、イワシやカラスミなどは与えない。
海原雄山は化学肥料を毛嫌いしているようですが、使い方が問題なのであって、化学肥料というだけで悪と決めつけるのは間違っていると思うんですよね。
感じたこと
唐山陶人の可愛がり
怪我をするときには士郎がいましたが、雄山から聞かれた時には「風呂で転んだ」と嘘をついて士郎を庇うあたりがカワイイ。
トマトの圧勝
今回は海原雄山を圧倒する珍しい回です。でも士郎も謙虚で、永田先生や石山さんも「トマトがえらいんです」と言って、却って雄山がイライラするところがめっちゃ笑えます。
トマトの描写が最高
こんなに美味しそうにトマトを描いたアニメが他にあったかというくらいに美味しそう。断面に見えるエレエレまで美味しそう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません