『美味しんぼ』第73話「家族の食卓」の感想
1990年12月11日アニメ版の『美味しんぼ』第73話「家族の食卓」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第86話)
もくじ
あらすじ
冷えきった西野一家
3ヶ月前の出来事。文化部の飲み会の二次会で新宿歌舞伎町にきた山岡は、チンピラに絡まれていた少女を助けようとして(田畑・花村に無理やり担ぎ出されて)返り討ちに。きけば、冷めた関係にある両親に反抗するためにグレようとしたといいます。
- 西野よう子
グレようとしていた西野家の一人娘。
- 西野保一
よう子の父。西野建築事務所の主宰、建築家。アメリカ留学時、同じく料理研究でアメリカに来ていた美子と出会う。
- 西野美子
よう子の母。料理学校 美菜料理学園の園長。夫の保一がアメリカで焼いてくれたスペアリブをきっかけに恋愛結婚。
自宅を訪ねた山岡は2人の関係を見るや自分の家庭と重ね合わせ、子供にとって大事なのは仲睦まじい両親の姿だと苦言を呈します。
家庭の再建
そして3ヶ月後の現在。個人向けの住宅設計で西野は賞を受賞。THE IMPERIAL PLAZAで西野保一 建築文化大賞受賞記念祝賀会が開かれ、そのあとには よう子が準備をした自宅でのガーデンパーティー。以前は分けられていた自宅の表札も1枚になっていました。
夫婦は恋愛結婚のきっかけにもなったスペアリブを2人で焼いてみんなに振る舞い、来月開かれる全米スペアリブコンテストにも自家設計した炉を使うことに意欲を見せます。
登場した料理、食材
前菜・フォアグラのキャベツ包
生のフォアグラをキャベツの葉で包んで蒸したもの。
最終的にフォアグラの中心にギリギリ火が入るようにして、それを計算に入れてキャベツの下茹でを控えめにしておく必要がある。
しかし西野の家で出されたものは火を通しすぎているためにキャベツの香りや食感が損なわれ、フォアグラもパサパサだった。
スペアリブ
西野夫妻の恋愛結婚のきっかけになった豚肉の骨付きバラ肉料理。
骨を1本1本バラさず、肋骨をまるごと焼き上げてから切り分ける。骨の周りの薄い肉が1番美味しい。
コルトン・シャルルマーニュ77年物
- Corton-Charlemagne
コルトン・シャルルマーニュとは、フランス・ブルゴーニュ地方のコート・ド・ボーヌ地区にある白ワインのアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC=特産ブランド品の規格)及びグラン・クリュのブドウ園のこと。コルトン・シャルルマーニュAOCは1937年7月31日に認定。(AOC自体の設立は1934年)
アロース・コルトン、ペルナン・ヴェルジュレス、ラドワ・セリニーのコミューンにあり、許可されているブドウ品種はシャルドネのみ。毎年約30万本の白ワインが生産されている。コルトン・シャルルマーニュの名前の由来は、かつてブドウ畑が置かれていたコルトンの丘を所有していた初代神聖ローマ皇帝 シャルルマーニュ(カール大帝)が、775年にソリュのサンタンドッシュ聖堂(聖アンドローシュ聖堂)参事会に畑を貸与したことにちなむ。
カール大帝のぶどう園についての最初の言及は1375年に遡り、ソリュにあるサンタンドッシュ聖堂の借地権「Clos le Charlemagne」による。言い伝えによると、白ぶどう品種に限定されているのは、皇帝のひげを汚さない白ワインを妻が好んだためだと言われている。
感じたこと
描写が美しい
- 手紙に目を通すクリコ
- 歌舞伎町の強い光を浴びる士郎の黒いスーツ
- 公園の水でハンカチを絞る手の動き
- キャベツ料理をナイフとフォークで切り分ける様子
- スペアリブの骨の周りの肉を食べる時のリアルな音と質感
- ガーデンパーティーの夕暮れ
前回(72話)の深川の夜道と半ちゃんの店舗内の光の描写も美しいと感じましたが、美味しんぼはこういう細部までこだわっているところが良い。しかも当時はこれをセル画でやってたわけでしょう?本当に凄い。
西野家のデザインがイマイチ
有名建築家の自宅なのに、どうもパッとしないデザイン。
- 建物外観
ただ屋根がごちゃごちゃしていて大きいだけで、昔のアニメだということを差し引いたとしても目新しさがありません。
ガーデンパーティーで2回目に映った時は2階にバルコニーのようでいて手摺も無い板が飛び出してましたけどアレは何でしょうか。- 外構
アプローチが短くて単調。シンボルツリーくらいあってもいいのでは?
玄関の真正面にピロティがあるのは日常生活では使い勝手が良さそうではありますが、アプローチにはダサい段差があって車も入れなさそうなので、それはちょっとどうなのかな・・・。しかもピロティを挟んだ1階の左右はどうやって移動するんでしょう?納戸なのかな?- インテリア
色の気持ち悪い取り合わせ。
美子の舌は大丈夫か
自宅でフォアグラを食べた時、保一も士郎もイマイチだと評価しているにも関わらず、生徒への講評は「及第点」。しかも調理したのは学園内でも履修課程を終えた中でも選りすぐりのエリート。
士郎はともかく、素人の保一にさえ文句を付けられる料理に何も不満を感じないというのは園長としてどうなんでしょうか・・・今まで黙ってきた保一が立派に思えてなりません(笑)
なんだかんだ良い親
士郎のあんな一言からたった3ヶ月でここまで自分たちを改変できる人って普通に凄いですよね。さすが名士。
もし普通の毒親だったら、散々口論になった挙げ句にきっと何も変わらないでしょうから。
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