『美味しんぼ』第85話「父のコロッケ」の感想
1991年4月23日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第85話「父のコロッケ」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第99話)
あらすじ
相川料理長の子別れ
桜満開の春。
大日本テレビの番組で「社員食堂オリンピック」と銘打って、社員食堂対抗戦に出場することになります。出場する相川料理長は山岡や快楽亭ブラックらと とんかつカロリー軒で打ち合わせ。
しかし酒を勧めても気が乗らない様子で、帰りに見かけた息子の相川孝とは久しぶりの再会。栗田はワケを聞きます。
相川はむかし神田でレストランあいかわを繁盛させたものの、調子に乗って酒に溺れ、くだらぬ女に引っ掛かった挙げ句、気付いた時には店も子供も女房も失っていたといいます。
- 相川誠
東西新聞社 社員食堂の料理長。通称:相川料理長。
以前はレストランあいかわを経営していた。酒に溺れて失敗してから10年来、一滴の酒も飲んでいない。
まるで子別れの噺とまるっきり同じ。噺の勉強にさせてほしい、とブラックは翌日落ち合った相川親子を尾行し、一部始終を山岡らと共有します。
クロケットとコロッケの違い
自由種目に加えて規定種目「コロッケ」で順位を決めることになり、コロッケ料理が得意な相川は勢いづきます。
相川はクリームコロッケ、カニコロッケ、カレーコロッケ、贅沢なコロッケを用意。どれも美味しいものの、山岡は「語源となっているフランス料理のcroquette(クロケット)ではなく、日本料理のコロッケを出すべき」とこれを否定します。
- 素朴だが豊穣
- 単純だが深い
- 食べ飽きるということがない
- 味覚だけでなく心にも深く訴えて懐かしさまで抱かせる
社員食堂オリンピック
凝りに凝ったコロッケを展開する他社に対して、東西新聞社(7番)は素朴なジャガイモコロッケで優勝。
- チーズコロッケ
- 中華風コロッケ
- フォアグラ入りコロッケ
- オイスターコロッケ
審査員 | 1位に選んだ会社の番号 |
---|---|
レストラン「光」 | 7 |
万客軒 | 13 |
来々軒 | 7 |
カレー屋鉄 | 13 |
山本末広(審査委員長) | 7 |
復縁
相川が食堂の片付けをして退勤すると、外には番組を見て更生を確信した妻(孝の母)が待っていました。
登場した料理、食材
相川料理長のコロッケ
- クリームコロッケ
鶏のささみ、玉ねぎのみじん切り、マッシュルームの薄切りをホワイトソースで煮込み、小麦粉を足して硬めにとろみをつけ、生クリームと卵黄を加えたもの。
- カニコロッケ
ホワイトソースを冷やしてから少量の米を混ぜたもの。具材のカニはワタリガニを殻ごと焼いて身を取り出したもの。
- カレーコロッケ
豚の挽肉、玉ねぎ、ニンジンなどの野菜をカレールウで煮て、そこに茹でて潰したジャガイモを混ぜて、形を整えてから揚げたもの。
- 東西新聞社員食堂のコロッケ
北海道産の最高の男爵イモを使用。皮は茹でる前にこそぐ程度。粘りが出ないよう料理長自らで手早くほぐし、炒めた挽肉・玉ねぎと混ぜる。
パン粉はパン屋から新しいものを毎日取り寄せる。
揚げ油にはラードを使用。良い豚の脂身から料理長が毎日仕込んでいるラード。良いラードは軽くて良い風味があり、それ自体が最高の調味料となる。
感じたこと
声優陣
- 山口勝平
- 名探偵コナン(工藤新一、怪盗キッド、黒羽快斗)
- 美味しんぼ(相川孝)
-
香椎くに子(エンディングのテロップでは香推くに子の誤表記?)
- 美味しんぼ(園長、第74話「不思議なからあげ」)
相川料理長の服
孝と会った日、その翌日、同じ服ではありませんか。
ワンチャン、元妻と会って撚りを戻す機会でもあるのにちょっと気合が足りないのでは・・・。
揚げ油の描写が素晴らしい
コロッケを揚げているところのコロッケの縁からポシャポシャと出てくる泡の質感がなんともリアル。高温で粘度が下がってサラサラした感じで、揚がり具合が想像できてめっちゃ良い。
青野武の子別れが凄い
快楽亭ブラックを演じる青野武さんの子別れの迫力があって面白い。
- 子別れ
古典落語の演目の一つ。柳派の初代春風亭柳枝の創作落語。
酒癖の悪い亭主が浮気までして別れるも、一人息子可愛さに撚りを戻して一緒になるという話。
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