『美味しんぼ』第112話「二人の花嫁候補」の感想
1992年1月14日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第112話「二人の花嫁候補」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第127話)
あらすじ
山岡の風邪
山岡の原稿が間違っていると怒鳴る夕方の富井副部長でしたが、山岡は休んでいて朝から不在。
しばらく休みが続いたある日、山岡の代理を名乗る年配の女性から風邪であと2,3日休むとの電話があり、栗田は谷村部長から見舞いを依頼されます。栗田に抜け駆けされてなるまいと、仁木まり子も口実を設けて栗田に同行します。
ペントハウス山岡
山岡の自宅(3丁目2番地グランドビル)の近所まできて通りすがりの女性に尋ねると、それは会社に電話をしてきた女性・中川ちよでした。
グランドビルとは名ばかりのおんぼろビル。郵便受けに山岡の部屋番号は無く、山岡は屋上のペントハウスに住んでいました。
- 中川ちよ
美食倶楽部 中川料理長の妻。中川とは美食倶楽部で知り合って職場結婚。
士郎にとって乳母同然。今でもたまに士郎の様子を見に訪ね、士郎からはおちよさんと呼ばれている。
山岡の厨房はとても手入れが行き届いていましたが、部屋はぐっちゃぐちゃ。栗田からも男やもめに蛆がわき女やもめに花が咲くと苦言を呈されます。
フレッシュフルーツ 木作で買ってきた夕張メロンを見舞い品として差し出すまり子に、栗田は唖然。
向かいの火事
栗田とまり子、どちらが花嫁候補の本命なのかと問いただしていると、向かいの印刷所で火事。
ちよは火消しを手伝おうとする2人を引き止め、料理を作るよう指示します。ちよが士郎にとって影響力の大きい人物だと睨んだまり子は率先して料理づくりを始め、それに気づいた栗田も急いで後を追います。
しかし食材は少なく、最後の頼みだった袋の中身も酒粕。落胆したまり子でしたが、栗田は名案を思いつきます。
栗田のカンニング
火事はボヤで済みました。
水を浴びて身体が冷えたみんなに、栗田たちは甘酒を飲ませ、更に三平汁で空腹を満たしました。
山岡もちよも、2人の料理を褒めます。
しかし翌日 岡星へ行くと、三平汁が上手くいったか聞く精一に、山岡は2人のカンニングを知ります。
登場した料理、食材
鮭の粕汁(三平汁)
- ジャガイモ
- 人参
- 大根
- コンニャク
- 新巻鮭(あらまきざけ)
昆布で出汁を取る。コンニャクは指で千切って入れる。
甘酒
- 士郎が大事に取っていた大吟醸の酒粕を水で溶く
- 沸かしてたっぷりの砂糖
- 隠し味にひとつまみの塩
良い酒粕を使えば美味しい甘酒を作りやすくなる。
感じたこと
作画に違和感
特にクリコの顔を見て、今までの美味しんぼとは明らかに違う作画だということに気付きました。良い意味でいかにも「80年代90年代アニメっぽい顔」と感じたんですが、調べてみると作画監督は奥野浩行さん。
- らんま1/2 熱闘編
- ふしぎの海のナディア(原画)
-
3×3 EYES(原画)
美味しんぼ(作画監督)
他にも沢山ありますが、彼の関わった作品群を見て腑に落ちました。
大きな頭部に細くシャープな顎先、上瞼と下瞼の自然な融合、目尻のしっかり太い睫毛。(他の回のいつものクリコはもっと頬がもちっとしてて顔は丸みを帯びてるし、目も上瞼と下瞼がはっきりと分離してる)
もしかすると、私の抱いている「美味しんぼ世代アニメの雰囲気」の一部は、彼によるものなのかもしれないな、とさえ思えるほどでした。
やっぱりどっちも可愛い
おちよさんに詰められて赤面するクリコも可愛いし、どの場面でもしたたかで余裕たっぷりのまり子も可愛い。
最初は、夕張メロンを買ったまり子に、対抗心を燃やしたクリコが小言を言っているように映って(おっ、今回は強気に出たな)と思ってたんですが、見舞い品として夕張メロンを差し出すまり子を見て唖然としているクリコを見て(え、さっきの買い物の意図にまじで気づいてなかったのか)と思いました。
それとも、やっぱり分かってて、小言を言っても尚、士郎にメロンを差し出すまり子の図太さに唖然としてったことなんでしょうか。でもさすがに気付きません?
士郎のペントハウスは違法なのでは?
私はその世代ではありませんけど、先輩とか上司の建築士から聞く話によれば、1990年とかそれ以前だと、確認申請許可後に申請図外のペントハウスを建てて、建て替える直前になったりお咎めがあったらペントハウスだけ解体するようなビルやマンションは多かったと聞きます。
しかも士郎の使っていたプロパンガスのタンクは日光を浴びそうな保管ですよね。あれも良くないなぁ、と。
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