『美味しんぼ』第57話「玄米VS白米」の感想
1990年6月12日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第57話「玄米VS白米」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第70話)
あらすじ
(再び)伊豆の白川温泉へ
連休を利用して、文化部員一同は伊豆の白川温泉へ。ここは以前、浜鍋や筍のお刺身を食べた場所。
柔道部も合宿をしているようで、武徳女子大学の田原と金沢らが世界選手権を目指してトレーニングをしていました。
第22話「旅先の知恵」はこちら。
白米禁止令
夜の浜辺で白米と浜鍋を食べている時にも部員らが通り過ぎます。
宿に戻ると、浜ですれ違った柔道部員が「白米をくれ」とせがんできます。部員らは白米の制限を受けていました。
田原と金沢によれば、栄養面では玄米こそ至高で、味は二の次だといいます。これを受けて山岡は「本当の玄米食を食べさせる」と反論。
似非有機栽培
宮本武子らとの擦った揉んだの末、山岡は柔道部の食べていた有機農法の玄米には抗生物質や農薬が含まれていたことを証明します。家畜飼料に抗生物質や農薬が使われていれば、その糞や堆肥を使った有機農法では間接的に抗生物質を摂取しまうことにになるというカラクリでした。
誤りを知った3人は山岡に詫びます。
登場した料理、食材
SDGs玄米
山岡の提唱した本物の玄米は「作物と家畜の輪」から生まれたものでした。
- 無農薬農場
- 無農薬飼料
- 安全な家畜の糞
- 有機肥料
現代でいうSDGs(持続可能な開発目標)兼アニマルウェルフェア(Animal Welfare・家畜福祉)ってやつでしょうか。
でも今回は栽培のサイクルだけにフォーカスしていて、玄米料理の紹介が全然なかったので、そこはちょっと残念でした。
感じたこと
田原、金沢、部長の悪態が酷すぎる
田原と金沢は大学生のはずで、二十歳そこそこにも関わらず士郎やトミーにタメ口のような態度。しかもあの恐ろしい形相で・・・しかも金沢(メガネ掛けてるほう)の声優は鈴木みえ(一龍斎貞友)さんで、あまりに狂気じみてます。(いい味出してる)
- 玄米食は害があるだって!?(恫喝)
- 冗談じゃない!(恫喝)
- 1番自然な農法でしょう!?(恫喝)
- 準備はできてるでしょうね?(恫喝)
更にその上で、
- うちの部長も会いたいと仰っていますから
と、自分の身内である部長に関して謙譲語ではなく尊敬語を使う有様。そして士郎を拉致。しかも部長も部長で酷い。
- 「本当の玄米食を食べさせてやる」と言ったとか?(タメ口)
- どうやらあなたはとても適当な人のようですね(中傷)
- こうなれば決闘です!(決闘罪)
- ええい!男のくせに!(男女差別)
とにかく口が悪すぎる・・・柔道の前に学ぶべきことがあるのでは(笑)
ちなみに一龍斎貞友さんは美味しんぼに2回出演されていて、第101話「スパイスの秘密」の溝木圭子役としても出演されています。あまりに対照的な役柄で面白い。
道場の掛け軸
右から順に。
- 柔能制剛
じゅうのうせいごう。柔は剛を制することができる。弱いと思われた者でも、強い者に勝つこと。柔軟性に富んだ者は、硬直した剛の者より強いということ。
一般的には「じゅうよく、ごうをせいす」と読み下す。- 精神一到何事不成
精神一到何事か成らざらん。(せいしんいっとうなにごとかならざらん)
精神を集中して事に当たれば、どんなことでもできないことはない。という意味。
「朱子語類‐学二」の「陽気発処、金石亦透、精神一到、何事不レ成」による。(陽気が横溢するとき、金属も石塊も透かし通して、一時に春がやって来る。ひとたびこの陽気が発散されるときは、いかなる困難なことも、精神を集中させることによって、成し遂げることができる)- 神道堅固如金鉄
金鉄とは「金と鉄」、あるいは堅固の意味。縁起のためか、作中では「金+失」の鉄ではなく「金+矢」の鉃(やじり)が用いられている。
直訳すれば「神道は金鉄の如く堅固だ」という意味になるが、こういった句は存在しないので作中のオリジナルと思われる。
道場でのクリコと士郎の掛け合いが妙
道場で、クリコが宮本を諌めつつ、士郎にチャンスを与えるように説得交渉するところが夫婦漫才みたいでなかなか良かった。1番笑えた場面です。
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