『美味しんぼ』第81話「究極VS至高~エイと鮫(後編)」の感想
1991年2月19日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第81話「究極VS至高~エイと鮫(後編)」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第94話)
あらすじ
親子で緑釉鉢の拝借
海原雄山の陶芸作品は、来月ニューヨークで開かれる陶芸展に出品するために手元からなくなっていました。その代用として、エイ料理に合う伊賀緑釉平鉢を唐山陶人から拝借。師匠の皿を代用に使うなと怒った唐山でしたが、海原雄山の褒めちぎりに負けます。
- 海原雄山による唐山陶人の伊賀緑釉平鉢の評価1
素晴らしい、実に素晴らしい。色といい、形といい、正に人間国宝一代の傑作。
この濃い緑の釉薬には、エイの身の白さがよく映える。この平鉢にエイ料理を盛る時、全体にあくまで上品だが、僅かに残したエイの持つ野性味がキラリ、と輝いて更に味に深みを与えさせる。
そしてしっとりとした艶やかなエイの身を一切れ、口に含むと、それは人間が自分自身気づいていなかった官能を目覚めさせて・・・
- 海原雄山による唐山陶人の伊賀緑釉平鉢の評価2
自由闊達にして天衣無縫。しかも、一分の隙も無い造形の確かさだ。
一方、山岡も唐山陶人の織部の四方鉢を勝手に拝借していました。意図せずとも似たような皿を選ぶ2人を見て唐山陶人は「血は争えん」と漏らします。
究極VS至高
- 究極:野性味を活かした、エイの縁側のバターソース
- 至高:野性味を削ぎ落とした エイのドレッシング和え
房元はエイや鮫の美味しさを認め、田中プロデューサーと協力して番組を作ることを決意し、2人は意気投合し、究極VS至高については両極端な2つの料理で審査員も揉めに揉めましたが、最終的には引き分けとなります。
登場した料理、食材
第4回・究極VS至高「餃子」
対決回 | 話数 | テーマ | 究極 | 勝敗 | 至高 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 65 | 卵の前菜 | ゆで卵トリュフソース(全卵) | / | 卵の黄身の味噌漬け |
1 | 66 | 卵の前菜 | ゆで卵トリュフソース(黄身のみ) | \ | 卵の黄身の味噌漬け |
2 | 69 | キャベツとカブの料理 | フグの白子のキャベツ包み | / | キャベツの芯トマトソースがけ |
2 | 70 | キャベツとカブの料理 | カブの出汁煮 | カブとマッシュルームペースト | |
2 | 70 | キャベツとカブの料理 | カブの山ぶどうの汁漬け | \ | カブとマッシュルームペースト |
3 | 77 | 餃子 | 水餃子 | / | 蒸し餃子 |
3 | 77 | 餃子 | 黒砂糖の蒸し餃子 | \ | 蒸し餃子 |
4 | 81 | エイ料理 | エイの縁側のバターソース | - | エイのドレッシング和え |
後攻:究極のエイ料理
- エイの縁側のバターソース
ラ・ドデュ・ダンドンの広田シェフによる、九州のアカエイの縁側を使った料理。
コリコリするのは軟骨。
茹でたアカエイの表の黒い皮を剥がし、お腹側の皮を残してオーブンで乾かしてから少量のバターでカリカリに焼き、更に盛ってからパセリ、ペッパー、レモン汁を掛け、たっぷりと溶かしバターを掛けたもの。
ちなみに、店名の意味はDODU(ふっくらした) DINDON(七面鳥)。
先攻:至高のエイ料理
- エイのドレッシング和え
ラレドールの斎藤シェフと岡星良三による、北海道のガンギエイを使った料理。
新鮮なガンギエイをビネガーなどを加えて十分に茹でて白身をほぐし シェリー酒から作る酢・溶かしバター・塩コショウを用いた温かいドレッシングで和えたもの。
岡星で供されたエイ料理
- エイヒレの干物の炙り焼き
感じたこと
海原雄山のツンデレ
- 唐山陶人:いい加減にお互いを認め合ったらどうじゃ
海原雄山:士郎は私が誤って作り出した失敗作です。先生も失敗作は地面に叩きつけて割るじゃありませんか。
口ではそう言っていますが、でも雄山が士郎を地面にたたきつけて割ったことはない・・・まぁつまりそういうことですよね?
引き分けになった動機がよく分からない
- 房元:「田中さん、私が悪かった。一緒に作りましょう」 ←分かる
- 陶人君:「今の言葉で結論は出たじゃないか、この勝負引き分けじゃ」←「そうですな」 ←全然分からない
「房元が食わず嫌いを改めるだけの凄い料理を両陣営とも作った、だから引き分け」ということでしょうか?ちょっと納得のいかない流れ。
また、以前、蕪料理や卵料理の対決で「食材の味を徹底的に追究すべき」と言っていた雄山の考えに則れば、レシピからしても究極のエイのほうが勝ちだと思うんですけど。
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