『美味しんぼ』第118話「猿蟹合戦」の感想

1992年2月25日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第118話「猿蟹合戦」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第133話)

あらすじ

荒川の借金

昔からの友人の借金の保証人となったカメラマン・荒川は、借金の肩代わりをすることになり、田畑との披露宴を断念して結婚資金を吐き出すことにします。

佐高からの依頼

NEW GINZAの板山社長は山岡経由で荒川に助けを求め、佐高を紹介します。

佐高 信

佐高国際文化事業交流財団 代表取締役。

NEW GINZAの板山社長の友人。

親代々の金持ちという罰当たりの上、美術品収集に金を注ぎ込む愚か者。(板山社長評)

佐高が荒川に見せたのは芸術雑誌 美神のある1ページ。そこに載っている宋代白磁の写真は荒川が撮ったものでしたが、肝心なのはその後ろの違い棚に飾られた聞か猿の彫刻でした。

白磁と聞か猿の所有者・松森豊一は悪く言えば根性曲がりと言われるほど癖が強い人物。荒川の写真は、とある展覧会に貸し出されたその白磁を荒川がひと目見て惚れ込み、写真を撮らせてもらおうと毎週のように頼み込んだ末に根負けした松森が許した写真でした。

佐高は森川を口説き落とした荒川を見込み、聞か猿の代理交渉を依頼しますが、直接交渉に来ない佐高に松森は激怒。自分を食事へ誘うよう荒川に差し返します。

猿蟹合戦

山岡は佐高を岡星に連れていき、包丁も握ったことのない佐高に米の握り方を叩き込みます。

松森との会食は新橋の料亭・山花(やまか)の離れ。

臼の生花、柿茶、握り飯でもてなされた松森はこれが猿蟹合戦に擬えたものだと悟ると、聞か猿を佐高に譲ります。

見事仲介役をこなしたとして、荒川は謝礼として150万円の小切手を佐高から受け取り、これを披露宴の資金に当てることにします。

登場した料理、食材

伽羅の聞か猿

伽羅の香木を使用した彫り物。

江戸時代の初め、中国から伝来した伽羅の香木は1 mに満たないものでも何千両もしたとされる。

姿形に愛嬌があるのに、卑しいところがない美点も加わり、大変な宝物とされてきた。大名家が所有していたが明治時代になって売りに出され、佐高の祖父が入手したものの、その時には既に聞か猿は欠けていた。

伽羅

沈香の中でも最上級とされる香木。

松森に出した佐高の手料理

木臼の花生け

普段とは趣向が違う。

柿の葉茶

柿の葉を干した茶、お茶請けは柿の種。

握り飯

普通の料理で食通の松森を唸らせるのは至難。ならばと自分を知ってもらうにはこれしかない、と佐高が自らの手で握った握り飯。

冷や酒

実は握り飯にめっぽう合う。

焼きおにぎり

中には細切りにした大根の味噌漬け。

揚げおむすび

カツオの出汁をおむすびの中の梅干しがキリリと引き締める。揚げた米が出汁を吸って不思議な食感を生み出す。

栗を使ったデザート

猿蟹合戦に擬えると、消去法で出てくるであろうと松森が推測したもの。佐高もそれを認めている。

感じたこと

宮内幸平、八奈見乗児

佐高の声は宮内幸平さん、松森豊一の声は八奈見乗児。これで思い出すのはやっぱりドラゴンボール。

  • 宮内幸平:ドラゴンボール(亀仙人)
  • 八奈見乗児ドラゴンボール(ナレーション、界王様)