ドラマ『名建築で昼食を』シーズン1を観た感想

池田エライザ、田口トモロヲ主演ドラマ『名建築で昼食を』をAmazonプライムビデオで観ました。

あらすじ

カフェ開業を夢見る春野藤(26歳)は、ノスタルジックで可愛らしい「乙女建築」巡りを趣味とする中年の建築模型士、植草千明(55歳)とSNSで出会い、名建築を巡っていくうちに、千明の一風変わった価値観やものの捉え方や視点に興味を抱いていく。起業を準備している友人の綾子との意見の食い違い、気の遣いすぎで疲弊していた藤の心が千明の何気無い言葉から、物事を捉える視点と共にゆっくりと変わってゆく。

感想

建築はどれも素晴らしいし、学芸員さんの皆さんの解説もとても素晴らしいですが、一方で撮影技術や構成・脚本にかなり問題があるように思いました。これが原因で、作品に全く集中できないどころか、不快感やイライラさえ感じてしまいます。これは既に多くのレビューが指摘していることですが、私も指摘せざるを得ません。

撮影技術の問題点

歴史ある建築を題材としているとは思えないほど、全体を通して映像に重厚感や安定感がありません。

とにかく手ブレがひどい

多くのシーンは手ぶれ補正(外付けのスタビライザー)なしで撮影しているようです。内蔵の手ぶれ補正さえないように感じられます。素人の撮影よりも明らかに揺れているので意図して揺らしているとしか思えないのですが、意図だとしたらセンスを疑うし、意図してないとしてもひどい。

歩く度に映像がにじむ

通常、暗い映像では起こることがあります。でも、なぜか明るい屋外でもカメラマンが歩く度に画面ににじみが出ています。手ブレと相まって酔いそう。これは撮影機材自体に問題があるようにすら感じます。

オーバー気味の露出

明るいところがやたら白飛びしていています。例えば、第1話の白い壁や螺旋階段はあまり立体感が感じられません。空も真っ白に飛んでるし、建築物の内部からの窓の景色も白飛びしていて、訪問者がどんな景色を見ているかさえ分かりません。料理も、どれが皿でどこからがテーブルクロスなのかさえ分からないシーンもあります。

露出が一様なシーンは割ときれいですが、太陽光と影が同居するようなシーンは本当にひどい。第11話の横浜編の展望台から見た遠くに見える工場群のような建物なんかは本当に不気味なまでに真っ白なので、きつめのガンマカーブのLog撮影でもしてるんでしょうか。

妙なカラーグレーディング

第1話だけ、全体的に妙に色温度の低い映像で実際の建築の雰囲気や色味がわかりにくい。

映像の構成にモヤモヤ

例えば、第1話で二人が椅子に座ってガラス越しにぼーっと景色を眺めるシーンでカメラは二人に向けられていますが、視聴者、少なくとも私が見たいのは壁際に座ってる二人ではなく「彼らが見ている景色」なんです。

余計な描写

道中で警察官に職務質問されたり、犬に吠えられたり・・・それよりももっと本題の建築についてしっかりと描写してほしかった。