『美味しんぼ』第33話「青竹の香り」の感想

2021年4月3日

1989年9月25日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第33話「青竹の香り」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第43話)

あらすじ

鎌倉の竹林と尾藤康介の別荘

いつもの女性陣と山岡らは、有給休暇を使って鎌倉までピクニックへ。全員に食事を奢るか荷物を持つかという賭けトランプに負けた山岡は全員の荷持を持ってヘトヘトになりながら山道を登ります。
途中で見かけた手入れの行き届いた大きな竹林がひんやりして居心地が良かったので、そこにいた竹林の管理人も誘って昼食を摂ることに。

「来年は春にきてたけのこ料理を食べよう」というと、管理人を勤める老人は「ダメなんです」とポツリ。所有者が別荘を建てるために竹林を伐採するのだという。そこへ所有者で「全拓コンツェルン」社長の尾藤康介が現場の下見に現れ、(いつも通り)口論に発展して山岡が苦言を呈すも、暴言を吐き捨てて尾藤は立ち去ります。

尾藤康介(びとうこうすけ)

「全拓コンツェルン」の社長。鉄道、不動産、ホテルと手広く経営している。鼻の下に髭を持つ。

尾藤の改心

山岡は、その日のディナーにレストラン「ル・シャ・ノワール」で供されたスズキのパイの包み焼きをヒントに得て、大原社主と板山社長(「ニュー銀座デパート」を経営する栄商流通グループの社長)を介して尾藤をレストランに呼び出します。
周懐徳の作ったタケノコ料理を食べた尾藤は改心し、竹林の開拓を中止します。

登場した料理、食材

山岡が言ったたけのこ料理

  • 筍ご飯
  • 筍の刺し身
  • 筍の煮物
  • 筍の炒めもの

至高だと尾藤康介が言った料理

尾藤康介が述べた順に並べます。

フォアグラ

ガチョウやアヒルの肝臓。

ブレスの鶏

フランス中東部にあるブレス地方で飼育され、AOC基準を満たした鶏。AOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)とは、フランスで厳しい基準を満たした農業製品の総称。

キャビア

チョウザメの卵巣をほぐしたもの。

子牛の脳みそ

フランス語では[tête de veau](テット・ド・ヴォー)。

オマール海老

フランス語では[Homard](オマール)、英語では[Lobster](ロブスター)。

エクルヴィス

フランス語では[écrevisse](エクルビス)、日本語ではザリガニ。真夏にスウェーデンで開かれる風物詩「ザリガニパーティー」で使われる高級食材。

Le Chat Noir(ル・シャ・ノワール)で供された料理

  • テリーヌを使ったテリーヌ
  • リヨン風のスズキのパイの包み焼き

大原、板山、尾藤がレストランで供された料理

  • すずきの奉書焼き(ほうしょやき):岡星
  • リヨン風のスズキのパイの包み焼き:ル・シェ・ノワールのシェフ
  • 青竹焼き:周懐徳

    スズキに粒山椒・粗塩を振って豚の網脂で包み、中間部の節を取り除いた青い竹筒に入れて縦向けにして火の上で回転させながら加熱する。青竹から出た水分がスズキに香りを付ける。竹筒が焦げたところで中身を取り出し、網脂を取り除く。

周懐徳は第13話、第15話にも登場しています。


感じたこと、余談

尾藤の声優は小林清志

小林清志さんといえば、ルパン三世の次元大介〈初代〉。

22話の感想を見てください

  • 筍を煮る時に入れる米糠の本当の役割
  • 筍の刺し身

筍にまつわるエピソードと言えば、第22話でも竹林と筍が登場しています。

ル・シャ・ノワール=黒猫

Le

フランス語の冠詞。

Chat

猫。英語のCat。

noir

黒、暗黒。ワインのぶどう品種「ピノ・ノワール」のノワールもこれ。