文人盆栽って何?

「文人盆栽」、「文人調」とか「文人風」って何?

文人とは

そもそも文人(ぶんじん)とは、中国の伝統社会における学問を修め文章をよく読み書きする人という意味。要するに知識層の人々。一方、書画を書く風流人のことを「墨客」(ぼっかく)呼び、これらを併せて「文人墨客」(ぶんじんぼっかく)とも呼びます。

そして文人墨客から好まれた侘び寂びの世界を表した樹形が「文人盆栽」、「文人調の盆栽」と呼ばれています。
じゃあ具体的に「侘び寂びの世界を表した樹形」とはどんな見た目なのか。これ↓

各部位の特徴を下表で表します。

文人調の特徴
部位特徴
樹高低い
途中に枝が少ない、クイツキ枝(龍の足みたいに、幹に食いついたような形の小さな枝葉)はむしろアリ
幹の太さ樹高に対して幹が細い
木肌の質感薄皮で、小さいヒビが入り、小枝の先まで荒れて古めかしい
木肌のキズ無い
根張りしっかりとしている
葉性(葉の状態)しっかりとしている
全体的な印象古めかしさと侘び寂びが滲み出ている
派手さがなく、素朴で浅い丸鉢

文人盆栽の難しさ

文人盆栽は作り上げるのに時間が掛かる割に、綺麗に仕上げるのが難しいとされています。

樹齢が古くないと樹皮のひび割れた質感が出ないので、それだけでも時間が掛かりますし、くたびれたような風貌に仕上げるのでセンスがモロに出てしまう(豪華さもないので、下手をすると失敗作にしか見えなくなってしまう)からです。

でもだからこそ、作り甲斐があるのかもしれませんね。