『美味しんぼ』第8話「接待の妙」の感想
1988年12月5日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第8話「接待の妙」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第8話)
あらすじ
大日石油の本社ビルを訪問
アフリカの飢餓を救うための寄付金を募るため、谷村部長と栗田は、大日石油の本社ビルを訪れます。
しかしビルはエレベーターもなくボロボロで、階段で4階まであがると成沢社長が床掃除をしていました。
- 成沢平吉
日本でも5本の指に入る大石油会社である大日石油の社長。日本三傑の1人。こめかみの辺りにシミのようなものがあり、眼鏡をかけ、鼻の下にヒゲを生やしている。
とにかくケチで、「端金などない、1円でもお宝」だという信条。通称ケチ平。
社長室に飾られた額縁の言葉
ケチ、しまりや 守銭奴は ほめ言葉
使わぬ金は減ることなし
節約 倹約
無駄遣いは最大の罪悪(アニメでは駄の「太」を「犬」と間違えている)
料亭「新川」で接待
大原社主、谷村部長、山岡、栗田の4人は成沢社長を料亭「新川」で接待しますが、その豪華な料理や部屋の内装を見た成沢社長は「こんな金の使い方をするやつに金を渡したら何をされるか分かったもんじゃない」と激怒します。
たっつぁんのレストランで試食品巡り
山岡は、これからデパートのレストランで昼食を摂るため、更衣室で一張羅に着替えたばかりのたっつぁん(第2話で登場した辰さん)と遭遇します。(つまりホームレスの辰さんは、試食コーナーで腹を満たすため、男子トイレで一般人の服装を着たということ。)
山岡はこれにヒントを得て、成沢社長を「たっつぁんのレストラン」もといデパ地下の試食コーナーに連れていき、全て無料で食事させます。
- 食前酒
山梨ワイン
- オードブル(フルコースでスープの前に出される最初の料理)
石川県の「口子」(くちこ、ナマコの卵を干したもの)(北国 高級珍味。塩辛にした生クチコも存在する。)
岩手県の「アワビの粕漬け」
広島県の「でべら」(コノハガレイを干したもの)
博多名物の「百尋」(ひゃくひろ、クジラの腸を茹でたもの)
うにの塩漬け(アルコール漬けではないもの)
- 日本酒
山形県の住吉
栃木県の四季桜
石川県の菊姫
成沢社長は「灘の生一本」じゃないと・・・と言い、更に神戸のローストビーフという言葉に反応しますが、たっつぁんはそれらを阻止します。
- ご飯もの
わんこそば
練半生そば
イカ飯
きりたんぽ
(厚揚げみたい四角い揚げ物にご飯を詰めたようなもの、なんだろう?)
山菜おこわ
- デザート
牛乳、生クリーム、天然香料、砂糖のみで作られたアイスクリーム。(増量剤、脱脂粉乳、コーンスターチ、人工香料)
- 食後酒
カルバドス(リンゴから作った蒸留酒)
これらの接待に心をよくした成沢社長は小切手で1億円の寄付をしました。
感じたこと
成沢社長は社長の風下にもおけない
どケチの成沢社長はお金をとても大切にしていますが、彼の行動原理には全く賛同できません。
冒頭では、倹約のために自社ビルの床を自分で掃除をしていましたが、これは本来なら雇うべきだった人の雇用機会を失っているではありませんか?「それ、どうせなら辰さんにやらせてあげーや・・・」って思っちゃいました。社長には社長の仕事があるはずです。
また、試食コーナーでも、全部タダだと喜んでいますが、そのコストは実際に商品を買っている人に転嫁されているだけでしょう?それを喜ぶっていうのはどうなんでしょうか。
そうやって、本来なら他の従業員等に与えるはずだったお金をプールしてアフリカに寄付するって、ちょっと違う気がしませんか?本当に立派なら社長なら従業員にガンガンお金を出して、それでいて寄付もすると思うんです。
もちろん、会社を経営するには軍資金が必要で、一極集中させることで生み出せるパワーが確実に存在することも分かりますから剰余金を持つことが悪とは言いません。でもそのお金は誰かから掠め取った堆積物だという自覚があるのか、彼の言動を見ると正直疑問なんですよね。(攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIGのクゼ・ヒデオじゃないけど)
菊姫はまじで美味しい
作中、一行は菊姫を飲んでいます。
以前、菊姫の山廃純米や色んな日本酒を飲み比べてレビューをまとめたことがあります。とても美味しいお酒でした。良かったら下記リンクもあわせてお読み下さい。↓↓↓
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません