ニュー・シネマ・パラダイスのあらすじ

恋愛, ドラマ映画

1988年にイタリアで公開された映画『ニュー・シネマ・パラダイス』のあらすじを紹介します。ネタばれありです。

考察や感想はこちらで紹介しています。↓↓↓

概要

概要
タイトル 原題 年代 ジャンル 時間 rating 制作費 売上 監督
ニュー・シネマ・パラダイス Nuovo Cinema Paradiso 1988年 ドラマ/ロマンス オリジナル版:155分
国際版:124分
ディレクターズ・カット版、完全オリジナル版:173分
イタリア PG12 約1200万ドル Giuseppe Tornatore

劇場公開版と完全版とでは、そのカットされた部分によって物語が少し異なります。下記では完全オリジナル版を軸にしてネタバレを含み時系列で記述します。

あらすじ

現在

ローマのサルヴァトーレ

劇場版でカットされた部分:01

帰宅途中のトトが赤信号で止まって車窓からタバコを捨てると、ヤンキー風のカップルにメンチを切られます。

ある日、ローマ在住のサルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(トト)が夜遅くに仕事から帰宅すると、故郷のアルフレードが亡くなったという知らせを聞きます。雷が鳴るなか、彼はベッドの中でアルフレードとの過去を思い返します。

幼少期

映画の検閲

第二次世界大戦の終戦直後、トトは幼い頃にシチリア島の僻地の小さな村で暮らしていました。出兵した父親はまだ帰ってきません。
村にはCINEMA PARADISO(パラダイス座)という名前の映画館があり、ロマンティックな映画を含め、新作の海外輸入映画なども放映していました。

近所の教会の神父は映画に登場するロマンティックなシーンを上映前に検閲をして、その部分を見つけるたびに小さな鐘を鳴らして映写技師のアルフレードに切り取り編集させていました。(ジュゼッペ・トルナトーレ監督はこの検閲を”お清め”と表現している)

アルフレードとトト

トトは映画が大好きで、映画館の2階にある映写室でフィルムの切れ端を拾っては家に持ち帰り、ランプの灯にかざしてそのシーンやセリフを再現する遊びをしていて、映写室に忍び込む度にアルフレードに叱られていました。

神父の検閲を受けてアルフレードがキスシーンの部分だけフィルムを切り取っているのを見て、トトはそれを譲ってくれと頼みます。 しかし当時はフィルムが燃えやすかったことから、「私が保管する」といってトトには渡しませんでした。

学校の授業

学校のシーンは少なく、初見では何を映しているのか分かりにくい部分が多いです。

  • トトは学校での服装の上に教会での白と黒の法衣をまとって通学し、学校の前でを脱いでいる。

  • クラスメイトのボッチャ(本名: ヴィンチェンツォ・ヴェスプッチ, Vincenzo Vespucci)は勉強が苦手で、いつも黒板に頭をぶつけられて怒られてるせいでおでこの左にアザがある。

  • 父親がソ連の共産主義者で、後にドイツに引っ越すクラスメイトのペッピーノは学校まで車で送ってもらっている。(作中では共産主義者という言葉が出てくるが、実際にはスターリニズム)

50リラ

ある日、お使いに行かされたトトは牛乳を買うための50リラのお金で映画館に入ります。日が暮れてから外に出ると母親が待ち構えていて、人目も憚らず叱りつけられたトトは泣き出します。

見かねたはアルフレードは機転を利かせて「タダで入れてやった、今日の落とし物は?」と言って劇場案内人のイグナチオにポケットを確認させます。(でもこれはもしかすると全てイグナチオの私物なんじゃないかな?)
母親が気を取られている隙にアルフレードはポケットから50リラ札を取り出して、落とし物として母親にそれを渡します。

アルフレードはおやすみと言ってトトにウィンクを投げ、トトも泣きながらウィンクを投げ返します。

自転車に乗って

劇場版でカットされた部分:02

トトと神父が、子供用と思われるとても小さな棺桶を馬で牽いて畑の傍を通り過ぎると、ちょうど畑仕事をしていたアルフレードがそれに気付き、棺桶を見つめながら静かに佇みます。

馬で棺桶を牽きながらお葬式をした帰り道にトトと神父が上り坂を歩いていると、自転車に乗ったアルフレードが後ろから来ます。悪知恵を働かせたトトは足が痛いふりをして自転車に乗せてもらいながら、トトの父親のこと、アルフレードには子供がいないことなどのお喋りをします。そしてトトは友達になろうと言います。

家に帰ると、収集していた映画フィルムが焼け焦げていて、火事に巻き込まれそうになった妹は大泣きしていました。母親は再びトトを叱りつけ、原因は映画とアルフレードだと言い、トトを映画館に入れないよう誓約させます。(体裁では「フィルムのせい」だと言っている)

「パパにしかりつけてもらう」と言った母親に「もう死んだよ」と返すと、母親は泣き崩れます。

あこがれの映写室

それでも映画館に行くトトでしたが、アルフレードはトトを映写室には入れませんでした。どうしても入りたかったトトは再び悪知恵を働かせ、丁度お弁当を届けにきたアルフレードの妻であるアンナから弁当を預かり、映写室に入ります。

トトは、先日の小火の原因だったフィルムはアルフレードから貰ったわけではないと母親に説明したことや、フィルムが燃えるのは冗談だと思っていたことを誠実に話し、アルフレードは機嫌を良くします。

ナイトレート火災

ナイトレートフィルムは劣化すると発火点が下がり、ナイトレート火災のリスクが高くなります。詳細は下記リンクを参照。

アルフレードが弁当を温めるために映写機の投光のカバーを外す操作などをトトは興味津々に覗き込みますが、アルフレードは「10歳から映写技師を始めたが、お前には教えたくないし、させたくない」と諭します。

劇場版でカットされた部分:03

アルフレードは映写技師にならざるをえなかった経緯について子供の時は戦争だった おとなになったらまた戦争だと説明しています。

しかし、トトはアルフレードがトイレに立った隙に映写機を無断で操作し、アルフレードを怒らせます。

時を同じくして、広場の宝くじ売り場でナポリ人のスパッカフィコがサッカーくじを当てて気絶します。

カンニング

ある日トトが学校で試験を受けていると、小学校の卒業試験の受験者として4人の中年が教室に入ってきますが、その中にアルフレードがいました。

トトはカンニングペーパーを渡すのと引き換えに映写室での仕事を自分に教えるよう取引し、映写技術についてアルフレードから学びます。ちなみにこの時、トトは左手でペンを持っていて左利きであることが分かります。

映写のトレーニング

  • フィルムに火が点いたら、両端を切ってリールに移さないこと

  • フィルムに使うゼラチンが美味しいこと(恐らくカットしたフィルム同士の接合用)

  • フィルムの検査証を必ず保管すること

その後、クラスメイトのペッピーノが両親とともに村を去り、ドイツへと向かいます。

戦争の傷跡

トトは戦後を伝えるフィルムのなかで、ロシア駐在のイタリア軍に関する悲報を見て父の死を知り、母と瓦礫の中を歩いて遺族年金手続きを済ませます。

アブラカダブラ

ある日、満席で映画館から閉め出された観客たちは広場で騒ぎ始めます。

群衆は考えない
何をするか分からない

スペンサー・トレイシー

見かねたアルフレードは、広場に面して向かい側に建っている建物の壁面に映画の光を上手に反射させて投影させ、2人は互いにウィンクを交わします。

火事

トトも広場に出て観客に混ざって映画を見始めますが、途中でフィルムが発火します。アルフレードはリールまで引火した炎に巻き込まれ、階段に倒れいているところをトトが救出しますが、この火事で映画館は全焼してしまいます。

ニュー・シネマ・パラダイス

サッカーくじを当てて成金となったスパッカフィコが映画館の再建に名乗りを上げ、映画のタイトルにもなっているニュー・シネマ・パラダイスが完成します。

映画協会のコネでスパッカフィコが映写技師という建前の下、トトが給料を得て映写技師として働き始め、初日に上映された映画『アンナ』ではキスシーンが初めて放映され、観客は湧き上がります。

そこへアルフレードが現れます。彼は火災によって失明していました。祝ってくれるのかと思いきや、トトが映写技師として就任した初日にもかかわらず、アルフレードはこれはお前のやるべき仕事ではないと諭します。

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青年期

時は流れて

この頃になると、技術の進歩によって難燃性のフィルムに移行します。

1本で2館

1949年公開の『』(CATENE)という感動映画は1館では捌き切れないほどとても人気がありました。この映画フィルムは前編第1部と後編第2部で1セットです。

映画館オーナーのスパッカフィコもこの映画を上映したいと考えていました。しかし、どうしても欲しいのに2日待っても届かず、スパッカフィコは電話越しに怒号を飛ばします。しかし配給元からのプリントは結局1本しか手に入れられませんでした。

劇場版でカットされた部分:04

スパッカフィコの電話のあと、トトは広場の噴水前でこう助言します。「隣村に古びた映画館があるので、そこの映写機のサビを落として、市から映写技師をもう1人呼んできて2館でシェアすれば多くの客を捌ける」と。

メモ:ストーリーの順序が映画のバージョンによって異なる

この一連のストーリーは、完全版ではエレナに出会う前に登場しますが、劇場公開版では「アルフレードのおとぎ話」のあとに登場します。

また、劇場公開版ではなぜ隣村でも上映していてそこにスパッカフィコがいるのか、省略されすぎていて分かりにくくなっています。

しかし服装や時系列から考えると、順番としては劇場公開版のほうが正しいはずです。「おとぎ話」の時の2人は少し厚着(初春)ですが、スパッカフィコが電話をしている時の周囲の人は少し薄着(晩春)だからです。また、完全版で描写されているボッチャと娼婦の戯れは夕暮れの草むらでおこなわれていますが、初春の夕暮れではさすがに寒すぎるでしょう。

トトたちは、ニュー・シネマ・パラダイスと隣村の映画館のそれぞれで1部と2部を交互に放映し、それぞれの放映が終わるたびにフィルムを自転車で輸送することにしました。ボッチャがその輸送をします。

劇場版でカットされた部分:05

しかし途中からボッチャが帰ってこなくなり、トトが自転車で捜索に向かうと、ボッチャは草むらで娼婦と戯れていました。トトは彼らが気になりながらも、フィルムを拾って映画館に戻ります。

劇場版でカットされた部分:06

トトはボッチャと娼婦の一事が忘れられず、映画館の観客席最前列で同じ女性にお世話になります。

エレナとの出会い

トトが仔牛の解体を撮影したあと、ジャンカルド駅(Stazione Giancaldo)の駅前でも撮影をしていると、偶然エレナが映ります。トトは彼女を見て一目惚れし、夢中で撮影を続けます。エレナはトトと同年配で やせてて、栗色の長い髪と大きな青い瞳を持つ美女でした。唇には見えないくらい小さなアザがあります。エレナの父親は銀行の重役です。

別の日に学校でエレナが歩いている最中に落とし物をするのを見て、彼女に落とし物を届けるためにトトとボッチャは競走しますが、トトはボッチャに手刀を浴びせて気絶している間にエレナに駆け寄って声をかけます。

後日アルフレードにこのことを話すと、青い眼は一番手ごわい、恋に苦しむだろうと言われます。

体が重い者ほど足跡は深い
恋する男は苦しむ
袋小路だと分かるからだ

ジョン・ウェイン
劇場版でカットされた部分:07

アルフレードはこの会話の中で、1936年にアメリカで公開されたチャールズ・チャップリンの主演映画『モダン・タイムス』に言及し、1940年に初めて映写している最中に最初の妻が亡くなった、忘れられない思い出だと語っています。

片想い

実際、後日 映画館の外でエレナを見かけて声をかけても、緊張して思う通りに会話が出来ません。

劇場版でカットされた部分:08

トトは自宅の小型映写機でエレナを壁に映してキスをします。勇気を振り絞ってエレナの家に電話をかけて告白しますが、相手はエレナの母親で、トトは咄嗟に電話を切ります。

王女の寓話

トトは再びアルフレードに相談しますが、アルフレードは再度 青い眼は一番手ごわいと言って諦めるように言います。

劇場版でカットされた部分:09

この説教に嫌気が差したトトは、盲目のアルフレードから離れて彼を1人にします。アルフレードが立ち往生していると自転車がベルを鳴らしながら通り過ぎて、アルフレードは怪我をするところでした。我に帰ったトトが戻ってくると、アルフレードは 息子みたいに そばにいろと言います。

アルフレードは道端に座り込んでおとぎ話を始めます。

昔むかし王様がパーティーを開いた
国中の美しい貴婦人が集まった

護衛の兵士が王女は通るのを見た
王女が一番美しかった
兵士は恋に落ちた
だが王女と兵士ではどうしようもない

ある日 ついに兵士は王女に話しかけた
王女なしでは生きていけぬと言った
王女は彼の深い思い驚いた
そして言った
“100日の間 昼も夜も私のバルコニーの下で待ってくれたらあなたのものになります”と

兵士はすぐにバルコニーの下にいった
2日・・・10日 20日たった
毎晩 王女は窓から見たが
兵士は動かない

雨の日も風の日も
雪が降っても
鳥が糞をし 蜂がさしても
兵士は動かなかった

そして

90日が過ぎた
兵士は ひからびて
真っ白になった
目から涙が滴り落ちた
涙をおさえる力もなかった
眠る気力さえなかった
王女はずっと見守っていた

99日目の夜
兵士は立ちあがった
椅子を持って行ってしまった

告白

アルフレードと一緒に教会を訪れていたいたトトは、懺悔しようと告解室で神父を待つエレナを見つけ、神父が戻ってこないように時間稼ぎをアルフレードに依頼して告解室に忍び込みます。

劇場版でカットされた部分:10

エレナは母が父に話から大騒ぎよ なぜ声をまちがえたの?と聞きます。(完全版では、これの少し前にトトは電話越しにエレナと勘違いしてエレナの母親に告白しているから。)

トトは格子窓越しにエレナに告白してあっさり断られますが、アルフレードのおとぎ話を思い出し、愛してくれるまで家の前で毎晩待ち続ける と伝えます。

99日目の夜

トトは春のその日から毎日のようにエレナの家の前で待ちますが、大晦日になってもエレナは認めてくれませんでした。(4月から年末までなので、実際には270日以上は待っていた)

劇場版でカットされた部分:11

新年を祝うため、アルフレード夫妻はトトの家を訪ねていました。映画館が終わったのにトトが帰ってこないことを母は心配しますが、アルフレードは心配ないと言います。まるで事情を分かっているようです。

トトが映写室で映写機に貼り付けていたカレンダーをビリビリに破り捨てているとエレナが現れます。2人はキスをして、交際が始まります。

愛に満たされて

2人は色んなところに出かけたり、誕生日を祝ったり、トトが自動車の試運転を始めたのでドライブにも行き、とても充足した日々を送ります。

テレビ映写機

劇場版でカットされた部分:12

スパッカフィコは、エレナの父親が重役として務めている銀行から融資を受けてニュー・シネマ・パラダイスにテレビ映写機を導入しましたが、アルフレードは焦げ臭いと言ってテレビ映写機を嫌います。映画館にはエレナ一家も来ていて、アイコンタクトを交わした2人はトイレの仕切り越しに会話をします。

エレナは夏休みにトスカーナへ行くので、来てくれたら会えるといいますが、トトは野外映画館の仕事があるので行けないと言います。(トスカーナはイタリア本土で、シチリア島から500~600 km離れている)

別離の日々

劇場版でカットされた部分:13

夏になってエレナがトスカーナへ行くと、2人は毎日手紙を交わします。劇場公開版ではトイレの仕切り越しにされた会話は全てカットされているため、なぜ夏になって2人が離れ離れになって手紙を交わしているのか分からない流れになっています。

しかしエレナは、10月に大学進学のためパレルモへ引っ越すことを手紙で告げます。

さすらい

劇場版でカットされた部分:14

本来、トトの兵役は父の戦死によって免除されるはずでしたが、手続き上のミスで免除にはならず、便宜上10日間の兵役で除隊することになります。

秋になるとトトも兵役でローマへ行くことになります。金曜日の朝にローマで入隊することを告げると、エレナは木曜17時のバスで映画館に行くと約束しますが、約束の時間を過ぎてもエレナは来ませんでした。

劇場版でカットされた部分:15

トトはアルフレードに映写室の留守番を頼んで車でエレナの自宅を訪ねますが、家の中はめちゃくちゃになっていて母親しかいませんでした。トトは映画館に戻ってきてアルフレードに尋ねますが、彼女は来なかったといいます。(後述しますが、アルフレードはここで嘘をついています)

徴兵

劇場版でカットされた部分:16

翌日、トトは入隊します。ところが、10日だけの徴兵のはずが1年経っても除隊許可が下りず、休暇を取らせろと口ごたえしたことで牢獄(独居房)で監禁され、遂には体を壊して入院します。除隊許可が下りたのは2年目の夏でした。

失意の帰郷

2年弱の兵役を終えたトトは村に帰ってきますが、村の広場に人の気配は少なく、代理で入ったはずの映写技師は我が物顔で、村の様子はすっかり変わっていました。(このとき広場にいた犬の声役はジュゼッペ・トルナトーレ監督です)

長い別れ

トトとアルフレードは海で久しぶりのお喋りをします。

劇場版でカットされた部分:17

トトは、以前アルフレードが話してくれた「おとぎ話」を持ち出し、王女に惚れた兵士の気持ちを代弁します。

あと一晩で王女は彼のものだ でも王女が約束を破ったら絶望的だ 彼は死ぬだろう
99日でやめれば 王女は自分を待っていたと思いつづけられる

兵士のようにしろ 村を出ろ ここは邪悪の地だ

アルフレードは「故郷を離れてしばらく帰ってくるな」と告げ、トトは列車に乗ってすぐにローマへ戻ります。

世話をかけたね

自分のすることを愛せ
子供の時 映写室を愛したように

これが今生でアルフレードと交わした最後の言葉でした。

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中年期

再び故郷へ

30年が経ち、アルフレードの訃報を聞いたトトは飛行機で帰郷します。家に帰ると母は網みかけの編み物がほどけていくのも忘れてトトを玄関まで迎えに行きます。飛行機なら1時間で帰ってこれるのに30年も帰ってこなかったことを母は責めませんでした。
リフォームされた家にはトトの部屋があり、当時使っていた映写機や調度品などが大事に保管されていました。

葬列

アルフレードの葬儀に参列して映画館の前を通りかかると、6年前に閉館した映画館はすっかり廃れていました。参列者を見渡すと懐かしい人達がそこにいて、みんな老け込んでいましたがトトのことを覚えていました。

エレナの幻影

劇場版でカットされた部分:18

トトが取り壊し前の映画館を訪れたあとでウイスキーを立ち飲みしていると「レネーラ」という名義でサインを求められます。トトは本名を名乗らず、芸名で活動していました。

ふと外を見ると、エレナの生き写しのような女性がいることにトトは驚きます。自宅に帰ったトトは、駅前で初めてエレナを見かけたときに撮影したフィルムを見て彼女に思いを馳せます。そして後日、トトは彼女のあとをつけます。

母と子

劇場版でカットされた部分:19

家に帰ったトトは久しぶりに母親と語らいます。
昔は母親が年寄りだと思っていたが、今となっては若かったと気づくし、恋や再婚もできたはずだと。そして村は何も変わっていないのに、周りは知らない人ばかりで、妹さえ見知らぬ人のようだと。母は1つ1つ丁寧に答えます。

メモ:フィルムを受け取るタイミングがバージョンによって違う

劇場公開版ではアンナから形見を受け取ってから廃れた映画館に入ったり、若い頃撮影したエレナを見つめるシーンがありますが、完全版では形見を受け取るのはローマへ発つ直前です。

母親は、トトが青年時代にこの村を去ったことや、飛行機なら1時間で帰ってこれるのに30年も帰って来なかったことを責めずに全てを肯定してくれましたが、トトが付き合う数多くの女性についてだけは お前を心から愛してる声をまだ聞いていないと苦言を呈します。

幻を追って

劇場版でカットされた部分:20

エレナの生き写しの女性の自宅で待ち伏せたトトは、彼女の父親のおでこのアザを見てボッチャだと気付きます。そして自宅に電話をかけるとエレナが出ました。トトは会おうとしますが、エレナは拒否します。

再会

劇場版でカットされた部分:21

トトが悶々としながら海辺で佇んでいると、トトが行きそうな場所を覚えていたエレナが現れます。ボッチャとはピサ大学で仲良くなり、彼は州議会議員になっていました。
年老いたエレナは、いっそ駆け落ちするつもりで「あの時」映画館を訪れていたこと、トトと別れるようにアルフレードから忠告されたが転居先の住所のメモをこっそりと残していたことを明かし、2人は抱擁とキスをします。

アルフレードの形見

形見は2つありました。

  • 1本のフィルム

  • 幼少期からトトが映写室で使っていた踏み台・イス(劇場公開版ではカットされている)

劇場版でカットされた部分:22

トトは再び映画館を訪れ、ホコリを被った検査証の山からエレナが残したメモを探します。ここでいくつかの映画タイトルが登場します。

公開年 日本語音声でのタイトル イタリア語音声でのタイトル 製作国
白鯨 Asso di Picche
1957年9月2日 引き出しの中の夢 I sogni nel cassetto イタリア
1958年9月6日 挑戦 La sfida イタリア
1954年9月22日 野生の道 (字幕無し)
1954年8月4日 心のともしび la maginifica ossessione アメリカ
1957年9月26日 さすらい Il Grido イタリア

そして『さすらい』という映画のフィルムの検査証の裏にそれは書いてありました。

(イタリア語と日本語字幕とでは乖離があります。本来、「Asso di Picche」は直訳すれば「スペードのエース」で、これを白鯨とするのは無理があります。また、イタリア語では発音していても字幕のない映画が1つあります。日本語では『野生の道』。)

Salvatore, perdonami, poi ti spiegherò cosa e successo. E’ stato terribile. Purtoroppo stasera stessa parto con mia madre per la Toscana.
Ci trasferiamo, ma io amo solo te… e non stare mai con nessun altro, te lo giuro.
Ti lascio I’indirizzo di una mia amica dove puoi scrivermi. Non abbandonarmi! Un bacio.
La tua Elena

サルヴァトーレ ごめんなさい 事情はあとで話します たいへんだったの 今夜 母とトスカーナへ発ちます 引っ越します
あなただけを愛しています 他の人は愛しません 誓います
友人の住所です ここに手紙を下さい 私を捨てないで さよなら

あなたのエレナ

トトはローマへ発つ当日の朝、エレナの自宅前にあるカフェから再び電話をします。(看板にはPIZZERIAとあるので本当はピザ屋のはず)
エレナはあれ以上のフィナーレはないわと言いますが、トトは諦めないことを誓って目を輝かせます。

上映

アンナから形見のフィルムを受け取ってローマに戻ります。試写室でアルフレードの形見のフィルム見てみると、それは子供の頃にアルフレードが「私が保管する」と言っていた数々のキスシーンを繋げたもので、トトは涙を浮かべながら感慨深げに笑みを浮かべます。(FINE)

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