『美味しんぼ』第25話「ハンバーガーの要素」の感想

2020年5月29日

1989年6月19日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第25話「ハンバーガーの要素」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第32話)

あらすじ

独立

美食倶楽部で海原雄山に師事していた宇田は、ごく一握りの者しか訪れることができない場所で料理を提供することに疑念を感じた末、ハンバーガーショップを開いて独立すべく美食倶楽部を辞めます。腕を認めていただけに、海原雄山も怒ります。

最高の素材

競合店で味見をしてみると、牛肉の粗悪な部位を加工後に冷凍していることからパサパサや臭みを覚え、宇田は良い牛肉を使うことを決めます。
牛肉も、2週間熟成させた最上級の牛もも肉を梅沢畜産で入手。玉ねぎもトマトも無農薬農家と契約したもので、ハンバーグも冷凍保存しない徹底ぶり。

ところが試作品を食べてみると美味しくない。ちょうど訪れた海原雄山も一口味見をするや「こんな食い物は売り物にならん」とまで言い放ちます。中松警部に掛け合い、路上販売でハンバーガーを提供して通行人の反応を見てみると、通行人の受けも悪い。

酢飯とバンズ

一行はしんとみ寿司を訪ねます。2種類の酢飯、マグロ、わさびの組み合わせを食べ比べると、酢飯が粗悪だと大トロの旨さを受け止めきれないことを知ります。ハンバーガーも同じでバンズが牛肉の旨さを受け止めきれていなかったことから、全粒粉を天然酵母で発酵させる富山製パンに切り替えることでこの問題を克服します。

感じたこと

中川がかっこ良すぎる回

いや、中川は結構いつも格好良いとは思うんです。色んなところに目配せする思慮深い人として。

でも今回は特に好き。士郎に宇田の後見をさせ、海原雄山の昼食として改良版のハンバーガーを「大変下衆な物」と恐る恐る箱の四方を丁寧に開く描写。ただ他国の料理を「下衆な物」だのと表現するのはリスペクトが無いし、非常にいただけませんね。中川が謙らざるを得ない事情はまだ分かるにしても、海原雄山がdisってる発言はどう考えても不適切です。

海原雄山も粋で良い

改良版を最後まで食べた雄山が「手が汚れてしまった」と言うツンデレぶりには笑えますが、宇田が美食倶楽部で昨年漬けたピクルスを「こんなものは宇田に始末させろ」と言って門出を祝ってくれて、宇田と中川が泣くのもまた良い。

海沢?梅沢?

作中、肉屋のシーンの看板には「梅沢畜産」の看板が見えますが、エンディングでは「海沢社長  島香 裕」の文字があります。どっちが正しいのか不明。