『美味しんぼ』第69話「究極VS至高・生きている米」の感想
1990年11月13日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第69話「究極VS至高・生きている米」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第82話)
もくじ
あらすじ
究極VS至高のルール策定
「究極VS至高」を取り上げている週刊タイムから2つの提案。
- 前回の「卵編」と同様、食材やテーマで戦ってほしい
- 新聞に発表する前に双方のメニューを比較検討したい
要は、出たとこ勝負ではなく、互いにメニューを出した後でおこなう手直しなどの経緯までをもひっくるめて記事にしたいという思惑。メニューの充実にも適うという説得に山岡も納得。
前回は至高陣営が「卵の前菜」と指定してきたので、今回は究極陣営が「野菜」とだけ指定。しかし雄山側は条件をひとつ提示。
荒川の母と田畑の対面
仕事の帰りに荒川・田畑ペアを見かけ、居酒屋「おふくろ」で一杯やることに。(清酒 安房誉(あべのほまれ)と書かれた暖簾の店)
母一人子一人だった荒川の家庭。今度母親と田畑を引き合わせることになっていますが、米処の東北・岩手出身の母をもてなすため、2人はTACHIBE製の家庭用精米機を購入していました。
ところが、いざ炊きあがったご飯は糊のようにベチャベチャで原形を留めていません。田畑は泣きますが、母は文句一つ言わず食べます。
佐竹精米技術研究所で検査した結果、田畑の米が上手に炊けなかった原因は、暖房が効きすぎた部屋での保管状態だと判明。改善したお陰で田畑は母と打ち解けます。そのお礼に、山岡は荒川の母から100%山ぶどうジュースをもらいます。
対決テーマは「キャベツとカブ」
海原雄山は大原社主、谷村部長、山岡を畑に呼び出すや2種類の野菜を見せ、その中から果物のように甘い無農薬栽培のキャベツとカブを対決テーマに指定します。
- 除草剤と農薬を使用した鳥も虫も食べない野菜
- 防鳥ネットの中で育てた虫食いの無農薬野菜
対決場所は料亭 筒井。
しかし、この対決で究極「フグの白子のキャベツ包み」は、至高「キャベツの芯トマトソースがけ」に負けます。雄山は「フグの白子という高級珍味で誤魔化し、キャベツ本来の美味しさを追求したり引き出そうとしていない」と喝破。
次話へ続く。
登場した料理、食材
第2回・究極VS至高「キャベツとカブの料理」前編
対決回 | 話数 | テーマ | 究極 | 勝敗 | 至高 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 65 | 卵の前菜 | ゆで卵トリュフソース(全卵) | / | 卵の黄身の味噌漬け |
1 | 66 | 卵の前菜 | ゆで卵トリュフソース(黄身のみ) | \ | 卵の黄身の味噌漬け |
2 | 69 | キャベツとカブの料理 | フグの白子のキャベツ包み | / | キャベツの芯トマトソースがけ |
究極のメニュー
- フグの白子のキャベツ包み
フグの白子をキャベツで包んで蒸し上げ、葛でとろみを付けただし汁を下に敷いたもの。
至高のメニュー
- キャベツの芯トマトソースがけ
キャベツの芯に、緑健農法の生の完熟トマトを裏ごししたソースをかけたもの。
緑健農法の完熟トマトについては第49話「大地の赤」を参照。(唐山陶人の入院、海原雄山の見舞い、トマト色の釉薬の回)
米
田畑のご飯の失敗と原因
- 過乾燥の保管によるひび割れ
米の内部には吸水しやすい部分(胚芽近辺の胚乳)と吸水しにくい部分(胚芽から遠い場所)があり、米が乾燥しているほどその吸水率に差が出て割れやすくなる。
- 過度の精米
米は外から順に籾殻、果皮、種皮、糊粉層に覆われているが、精米するほど割れやすくなる。
- 保管場所の乾燥
米の水分量は15%が好ましい。そのためには、保管場所の湿度は70%程度が好ましい。
米の水分量
米の水分 | 炊きあがった様子 |
---|---|
14.8% | 米粒の形がしっかり残ってふっくら |
13.5% | 米粒の形が少し崩れやすくなる |
11.3% | 形が崩れて糊のようになりやすい |
感じたこと
士郎をタコ殴りにする花村さん可愛い
田畑さんが泣くところで士郎が火に油を注ぐシーンで、デリカシーの無さに怒った花村さんが士郎を殴りまくる動きがめっちゃ可愛い。
部屋乾燥の本当の原因は暖房器具ではない
士郎は「床暖房とヒートポンプ式の暖房が原因」みたいなトーンで話していましたけど、ちょっと異議アリ!冬場に部屋が乾燥する本当の原因は、加湿器を使わずに暖房を点けたり消したりすることです。
- 点けると部屋が乾燥する
- 何時間も点けていると、空気中の水分が増える
- でも消すと、その水分が結露して空気が乾燥する
- また点けると更に乾燥が進む(また湿度が上がるまで時間が掛かる)
点けたり消したりすることは建材の劣化に繋がるので、私は24時間点けっぱなし推奨派です。
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