『美味しんぼ』第27話「あわび尽くし」の感想

2021年3月3日

1989年7月3日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第27話「あわび尽くし」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第34話)

あらすじ

谷村部長異動の噂

谷村部長が他部署へ異動するとの噂が出ます。なんでも、アメリカの支局長から本社に栄転してきた小泉編集局長の人事によるものなんだとか。

アメリカの支局長から本社に栄転してきた小泉局長の人事により、文化部の谷村部長が他部署へ異動するのではないかとの噂が出ます。栗田が富井副部長に聞いてみても、どうやら本当の様子。花村と田畑は「富井部長」と冗談でおだてます。

取材費ばかり嵩んで捗らない究極のメニュー作りの責任を取らされるのではないかという富井副部長の指摘に激昂した山岡が部長を問い詰めると、「帝都新聞に奪われた発行部数第一位を取り戻すためのテコ入れの一環だ」となだめます。

説得をすべく、山岡と栗田は小泉と料亭へ。その席で出た「水貝」(アワビ料理の一種)をきっかけに、山岡はあわび尽くしを馳走するといって、色んなお店で色んなアワビ料理を食べさせます。

小泉鏡一

東西新聞社の編集局長。いつも茶色のスーツを着ている。通称は小泉局長、局長。

アワビみたいな男

最後に伊勢志摩でアワビのステーキを食べさせるや「アワビは知れば知るほどその良さが出てくる」、「アワビの凄さのほんの一部しか知らなかった」と小泉に言わせると、谷村をアワビに喩えて小泉を諌めます。

帰った山岡たちは、田畑から「1を聞けば10を知る勘の良い人とされる小泉局長にその諫言はやり過ぎだ」と苦言を呈されたものの、谷村部長の異動はなくなった上、小泉から「山岡はアワビみたいな男」との評価を受けます。

登場した料理、食材

料亭「関根」で供されたアワビ料理

水貝

アワビの刺し身を氷水や海水程度の塩水に浮かべたもの。

しんとみ鮨で供されたアワビ料理

煮貝

アワビを醤油で塩辛く煮たもの。山梨県の名産。海のない山梨県で保存食として誕生し、現在では珍味として扱われている。

蒸し鮑の握り鮨

しんなりとしてムチムチとした歯ごたえ。

岡星で供されたアワビ料理

アワビの天ぷら

海の香りを残したまま、火を通すことで旨味が増す。

大王飯店で供されたアワビ料理

干し鮑の煮込み

太陽光がタンパク質を分解することで様々なアミノ酸を引き出し、複雑で濃厚な味を生み出す。

伊勢志摩のホテルで供されたアワビ料理

鮑のステーキ

シェフが考案したオリジナル料理。

感じたこと

料理の解説がちょっと物足りない

小泉局長を紹介しつつ、人事の話も進めなきゃいけないし、色んな料理の紹介もしなきゃいけないしで、尺の関係もあったのかもしれませんけどもうちょっと料理ごとの解説が欲しかったなぁという回でした。

磯の鮑の片思い

ラストでトミーが「磯の鮑の片思い」を持ち出して「クリコに片思いしてるのがバレちゃったんじゃないの?」と士郎を冷やかしていましたけど、他の全員は「いやいや両思いでしょ」と思ってるんじゃないですかね?

磯の鮑の片思い

アワビが二枚貝ではないため、対となるピッタリな形・大きさの貝が見つからないことから、自分が一方的に慕っているだけで相手にはその気のない恋を喩えたことわざ。