『美味しんぼ』第70話「究極VS至高・対決!!野菜編」の感想

1990年11月20日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第70話「究極VS至高・対決!!野菜編」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第83話)

あらすじ

蕪料理で仕切り直し

キャベツでの対決に引き続き、今度は蕪料理で勝負。

先攻の至高側は「カブとマッシュルームペースト」を出して審査員も納得しているにも関わらず、海原雄山は自身も一口食べると「マッシュルームに火を通しすぎたので日を改めさせてほしい」と頑なに言い出して退室。

一方、究極側が用意していたのは、雄山が「そんなものではダメ」と言っていた「カブの出汁煮」でした。この指摘に山岡はぐうの音も出ませんでした。

  • 理想:料理が素材を引き立てる
  • 現実:料理が素材におんぶしてた

山岡は思案します。

山葡萄とオニグルミ

至高側の料理は前回と同じでしたが、マッシュルームの火加減は前回と変わらない様子。一方、究極側は「カブの山ぶどうの汁漬け」を出して雄山を圧倒します。

  • 鮮烈さ
  • 日本の風土の素晴らしさを改めて教えらえた喜び

この2点により、究極のメニューが勝利。最終的には、1対1で引き分けとなりました。

登場した料理、食材

第2回・究極VS至高「キャベツとカブの料理」前編

究極VS至高 戦績表
対決回話数テーマ究極勝敗至高
165卵の前菜ゆで卵トリュフソース(全卵)卵の黄身の味噌漬け
166卵の前菜ゆで卵トリュフソース(黄身のみ)卵の黄身の味噌漬け
269キャベツとカブの料理フグの白子のキャベツ包みキャベツの芯トマトソースがけ
270キャベツとカブの料理カブの出汁煮カブとマッシュルームペースト
270キャベツとカブの料理カブの山ぶどうの汁漬けカブとマッシュルームペースト

究極のメニュー

蕪の出汁煮

鮎の焼き干し(鮎を焼いてから干したもの)、カツオ昆布、の合わせ出汁で蕪を煮たもの。

カブの山ぶどうの汁漬け

軽く塩もみした蕪を山ぶどうの汁に漬けてから薄切りにして、上にオニグルミを摩って掛けたもの。

蕪の甘み、山ぶどうの甘み、クルミの甘みの三重奏。山葡萄の微かな酸味、クルミの脂肪分・渋みが蕪を引き立てる。

至高のメニュー

カブとマッシュルームペースト

蕪を横に割り、中にマッシュルームペーストを詰めてあっさりと蒸し煮にしたもの。清々しい香り、自然な甘み、快い苦味。

だし汁に使ったフォン・ド・ボーは、良質な仔牛の骨と赤身肉を用いて、日本料理の一番出汁に近いあっさりとしたもの。

蕪の茎の付け根の緑と白のコントラストが美しい。

中に詰めたマッシュルームが蕪の土臭さを消し、料理にコクを与えている。油や乳製品と組み合わせて加熱すると真価を発揮する。

岡星の提案料理

カブの葛煮

蕪を摩り下ろして、米粉と練り合わせて蒸し固めたものに、たっぷりのカツオと昆布の合わせ出汁に塩醤油で整えた葛あんをかけてある。変化球としては良いが、蕪独特の歯ごたえを失っている点で山岡は却下。

感じたこと

ツン過ぎる雄山

士郎が平凡なカブの出汁煮を出すかもしれないことを見越して、敢えて「マッシュルームに火を通しすぎたから日を改めさせて欲しい」と言って決着を回避した雄山。最初は「どーせまたいつものツンデレパターンでしょ~」と思いきや、本当に士郎をこき下ろすために仕掛けたことなのかと思えるほど辛辣でびっくりしました。

でも、ラストシーンで「お前なら他の料理を用意できたはずなのに」と言った陶人君にも「失礼します」とだけ言って立ち去ったところで思わずニヤニヤしちゃいました。やっぱりツンデレ。

小泉局長の出番はいつですか

小泉局長

本当に怖いのは強い敵を相手にすることではなく、ダメな人間を味方にすることだ。

士郎

その通りです。一番ダメな人間というのは、戦いの前にヒステリーを起こして部下のやる気を失わせる上役ですよ。

小泉局長

貴様ァ!私がヒステリーだというのか!

士郎

ギャーギャー喚くのはヒステリーじゃないんですか。いい大人がみっともないぞ!

谷村部長以外まともな上司がいないのに、よくこの体制でやっていけてるなと驚くばかりです。

社主が凄い人物なら、社主の前でこんな幼稚な喧嘩は起こらないと思うんです。最初期は大原社主ももうちょっと威厳とか重厚感があったのに・・・(笑)

山ぶどう

岩手では山葡萄の汁を料理にも使うことがあり、蕪をこの汁に浸けることもあるという。

荒川母の料理

こごみのクルミ和え

春先に採ったこごみ(クサソテツ)を塩漬けにし、使うときに塩抜きをしてから砕いた鬼胡桃と和えたもの。