『美味しんぼ』TVシリーズ第95話「及第ガユ」の感想
1991年2月26日放送、アニメ版の『美味しんぼ』TVシリーズ第95話「及第ガユ」を観ました。(美味しんぼTVシリーズ第95話)
もくじ
あらすじ
激怒する大原社主
先週、胃を壊したので色んなお粥の作り方を山岡が教えたにも関わらず、未だに元気のない小泉局長。
そこへ大原社主からお呼び出し。
一昨年(1989年)、大嫌いだったお粥で夏バテを克服し、更にお粥嫌いも克服した大原社主でしたが、その当時には教えてくれなかったお粥レシピのせいで、万座の席で大恥をかいたと激怒。
新聞・雑誌・放送などマスコミ関係各社の幹部が定期的に集まる朝食会にいつも出席している大原と小泉。そこでお粥を披露した大原を尻目に、小泉が色んな添え物を披露したせいで自分が引き立て役に回ってしまったことを怒っていました。山岡は次回の朝食会(1991年3月6日、水曜日)の対策を立てることを約束します。
グレる小泉局長の息子
中学3年でもうすぐ高校受験を控えているのに、ついに先週 飲酒で警察に補導されたという小泉局長の息子・紀男。
親に逆らう、勉強はしない、酒は飲む、博打はするデキの悪い山岡なら、似た者同士で話が通じるだろうと考えた小泉は、息子から話を聞き出して欲しいと山岡に頼みます。
背後にヤクザがいて辞めさせられない不良社員を演じる山岡は紀男をBARに連れ出し、ヤクザに扮した中松警部らとアブナイ話を連発。さすがにヤバいと思った紀男は一目散にその場を逃げ出し、勉強に勤しむようになります。
及第ガユ
紀男がグレた理由はいくつかありました。
- 小泉局長の帰りが遅い
- 休日はゴルフで不在
- たまに会っても勉強しろとしか言わない
- 出来損ないだと侮辱する
山岡は親子仲直りの一助として、及第ガユの作り方を小泉に伝授します。
昼の間に仕込み終え、珍しく紀男が勉強をして夜食を欲しがっていたところへ及第ガユを出してやると、紀男は喜んで食べてまた作って欲しいと頼み、親子は和解します。
翌週の朝食会
小泉は朝食会で及第ガユを披露。一方、大原は山岡から助言を得られないまま出席し、またしても引き立て役となってしまい山岡を恨みます。
登場した料理、食材
朝食会で小泉局長が披露したお粥の添え物
- 牛肉のそぼろ
お粥が実に豊かな味になる
- 昆布の細切りの佃煮
お粥にまぶしてしばらく待つと、昆布の出汁がじっくり出る
- 伽羅蕗とあさりの佃煮を刻んだもの
伽羅蕗の苦味とあさりの旨味の組み合わせの妙
- 京都瓢亭風の鰹出汁の餡
鰹節をそのまま食べるよりずっと洗練された味になる
小泉局長の作った及第ガユ
中国で清朝まであった科挙という試験制度下で受験者がよく食べていたとされているのが及第ガユ。
及第粥を食べて、科挙の一つで最高位の「進士」において状元(主席者)を取って宰相(日本でいう総理大臣)になった者もいたという伝承から、状元及第粥とも呼ばれる。
- 米をよく洗い、ザルにあげておく
- 豚の挽肉に生姜と塩コショウで風味を付けて肉団子を作る
- 水に晒した豚のレバーを薄切りにする
- ヒラメの刺身を作る
- 鍋に米と水を入れ、その上に内蔵を抜いて一旦湯掻いた鶏肉を丸ごと乗せる
- 最初は強火で、沸騰したら少し火を弱めて蓋をせず3時間煮込む
- 小鍋に取った粥で肉団子を煮て、肉団子に火が通ったところでレバーを入れて出来上がり
- お椀の底にヒラメの刺身を置いて、上から熱いお粥を入れて刻みネギをかけて食べる
感じたこと
15歳で及第知ってるの?
いや、本当の出来損ないは20歳を過ぎても及第という言葉やその意味を知らないと思うんですけど・・・小泉局長がエリートだからそう感じるんでしょうか。これだけでも紀男はまだ全然できる方だと思うんですけどね。
さすがお蔵入りした回だけある
中松警部と部下っぽい2人とのアブナイ会話、さすがに今のテレビでは放映できない内容になっているだけではなく、サブリミナル効果を期待したかのようなエフェクトがあったり、色々ヤバイ回ですね。
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