『美味しんぼ』第103話「禁断の鳥」の感想

1991年10月22日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第103話「禁断の鳥」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第117話)

あらすじ

仁木親子、海原親子

東西グラフの新企画「世界味めぐり」好発進の礼として、仁木まり子は山岡と栗田を鳥料理屋 洪水亭に招待しますが、同席したまり子の父は、山岡との仲や続柄を知らずに海原雄山も呼んでいました。

まり子の父親

仁木まり子の父。業界最大手・二都銀行の頭取。彼の一言は政財界に多大な影響力を持つと言われている。口ひげを生やしている。

このサイトでは仁木パパ or パパ仁木 or 仁木頭取と表現することにする。

禁鳥・ツグミ

珍しい鳥を仕入れた、と女将に出された小鳥の料理をみな手掴みで食べますが、雄山はひと目見ただけでそれが狩猟の禁じられているツグミだと見抜いて激怒。

気付かずにうっかり手をつけてしまった山岡を咎めるに留まらず、その場にいた全員をこき下ろすと、山岡は耐えきれずに部屋を飛び出してしまい、有給休暇を使って会社にも姿を見せなくなります。

密猟グループ逮捕を激写

山岡が10日ぶりに現れたかと思うと、無精髭を生やして臭い身体。山籠りをしてツグミの密猟現場を突き止めていました。

野山を分け入って待ち伏せし、かすみ網を仕掛けた密猟者たちが現場に現れて、警察に捕まる瞬間をヘリコプターから激写。
掲載した東西グラフを仁木頭取から見せられた雄山は写真の中に山岡の姿を見つけ、静かに笑みを浮かべます。

かすみ網

細い絹糸で目立たないように編んだ小鳥捕獲用の網。
高さ4~6 m、幅16~20 mの大きさの網で、小鳥の通り道となる山や森の木に仕掛け、飛んできた小鳥を獲えるのに用いる。

飛んできた鳥は網にぶつかると咄嗟に自分の足で網を掴むが、柔らかい網の上では飛び立つための反動が得られないので、網に絡まなくても飛び立てなくなる。

江戸時代から行われてきたが、小鳥を一網打尽にしてしまうことから、1947年からの狩猟法により渡り鳥の公務調査以外では使用禁止となった。

感じたこと

ツグミは旬外れでは?

ツグミ

シベリア東部で繁殖し、10月下旬頃、大群をなして日本の本州・能登半島あたりに渡ってくる。

番組放映当時の美味しんぼは、現実世界の季節柄を反映した回を放送していたので、それに従うと、供されたツグミは10月下旬にロシアから渡ってきたばかりのものということになります。
でもそれって海を渡るのに疲労しきったツグミなので、春先のものより美味しくないのでは?と思ったんですけどどうなんでしょう?

まぁ禁鳥ですから、「禁鳥の美味しい調理方法を紹介したり、旬とかこだわったらアカンやろ」ということなんでしょうか。それなら合点がいきます。

仁木パパかっこいい

最初は娘をこき下ろされ、仁木パパ自身も侮辱されたにも関わらず、後日雄山とまた食事をとって、そこで「うちの娘はこんな立派な仕事をしたんですぞ、山岡クンも立派。これも海原先生のお陰だと娘も感謝しております」と言う仁木パパ

メガバンクの頭取でありながらこう言えるのは凄すぎます。もとい、頭取になれる人物だからこそ、でしょうか。
低姿勢で、かと言って厭に媚びた態度でもなく、実直さと芯の力強さが伝わってきます。そらあんなパパに育てられたら娘も素敵な女性に育ちますわ。

ツグミの味が気になる方は、スズメ肉とで気をまぎらわせましょう。