『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ3作を観た感想
レネィ・ゼルウィガー主演の映画『ブリジット・ジョーンズの日記』を見ました。原作はイギリスの作家ヘレン・フィールディングの同名小説。
もくじ
概要
この映画は三部作です。(執筆時)
タイトル | 原題 | 年代 | ジャンル | 時間 | 国 | rating | 制作費 | 売上 | 監督 |
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ブリジット・ジョーンズの日記 | Bridget Jones’s Diary | 2001年4月13日 | ロマンティック・コメディ | 97分(1時間37分) | イギリス | R15+(16+) | 約2500万ドル | 約2億8193万ドル | Sharon Maguire |
『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』 | 『Bridget Jones: The Edge of Reason』 | 2004年11月16日 | ロマンティック・コメディ | 107分(1時間47分) | イギリス | R15+(16+) | 約4000万ドル | 約2億6252万ドル | Beeban Kidron |
『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』 | 『Bridget Jones’s Baby』 | 2016年9月16日 | ロマンティック・コメディ | 122分(2時間2分) | イギリス | G | 約3500万ドル | 約2億1195万ドル | Sharon Maguire |
レネィとレニー
主演を務めたヒロインはRenée Zellwegerです。Renéeをレニーと表記されることもありますが、実際の発音はアメリカ英語でも/rənéɪ/(レネィ)で、本人もこれについて言及しています。
IPAの表記と発音については下記リンクを参照ください。
あらすじ
32歳になったブリジット・ジョーンズが新年パーティーのために実家に戻ると、そこで弁護士のマーク・ダーシーを紹介されます。ひと目見た時はマークがトナカイのセーターを着ていることにげんなり。一方で、ブリジットは会社の上司ダニエル・クリーヴァーに憧れと抱いているなかで彼と急接近します。
仕事に恋にダイエットに悪戦苦闘し、それでも常にポジティブに生きる等身大の女性像を描いた作品。
主演を務めたレネィ・ゼルウィガーはこの作品のために、1作目では体重を6 kgも増やし、2作目では更に体重を増やして撮影に臨んだといいます。
ネタバレ無しの感想
今まで避けてきたロマンティック・コメディの王道
この映画はすごく有名だし公開直後から知っていましたが観ませんでした。こういうベタな商業主義的な映画を見る自分がなんだか許せなかったんです。
でもある時(2019年初めだったかな?)、2016年の第3作『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』がアマゾンプライムビデオでプライム会員に無料公開されていたので観てみたら、1作目も2作目も観ていなかったにも関わらず意外と楽しめたので、どうせなら最初から観ようと思ったんです。当時は1作目と2作目がアマゾンプライムビデオでは有料だったんですけど、2019年末にふとプライムビデオを見たら1作目と2作目が無料になってたんで観ようと思ったわけです。(その代わり3作目が有料に切り替わってました)
どの作も冒頭の曲が印象的
1作目はJamie O’neal(ジェイミー・オニール)のAll by myself。(Youtubeに動画無かった。Eric Carmenのオリジナル版なら私もたまに聞くんですけどね)
2作目はCarly SimonのNobody Does It Better。
3作目はAll by myselfが再び流れるも、切り替えてHouse of PainのJump Around。
携帯電話で時代の変遷を感じる
この3部作は2001年、2004年、2016年で、丁度フィーチャーフォンからスマートフォンに移行していく中で誕生した作品なので、第2部まではフィーチャーフォンだったのが、それから5年後の設定の第3部ではスマートフォンになるというその変遷を見ることができます。
イギリスやったらウォッカじゃなくてジンやろ!
1作目の冒頭(11分頃)、荒れたブリジットが酒を呷る(あおる)シーンでポアラー(pourer)の付いたボトルでウォッカを飲んでいます。でもウォッカと言えばどちらかというと、スウェーデンなどの北欧からロシア、ウクライナなどの東欧のイメージが強い。
イギリスなんだから本場のジンを飲んでいて欲しいなぁと思うとこもあったんですが、まぁ、ダメな人が飲んでる酒=ウォッカというところなんでしょうか。そんなことを言うとウォッカファンに怒られそうですが、中性スピリッツをただ希釈しただけのウォッカの何が美味しいのか、私には本当に分からないんですよね。
ちなみにブリジットが飲んでたウォッカの銘柄はこれ。↓↓↓
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どの回から観始めても楽しめる
普通、3部作だったら1作目から観ないと意味が分からない。でも、この作品はどの回から観ても楽しめます。3-2-1と観ても面白いと思うし、3-1-2の順番でも良い。観る順番によって楽しみ方が違ってくる面白さがあります。理由は説明するとネタバレになっちゃうのでここでは書きません。後述の「ネタバレ有り感想」を見てください。
ネタバレ有り感想
ここからはネタバレを含みます。
どっちのルートもアリなのでは?
ブリジットは2人の男性(1,2作目はヒュー・グラント演じるダニエル・クリーヴァーとコリン・ファース演じるマーク・ダーシー)の間で揺れ動きますが、最後はマークに行きます。
ただ、デカパンを履いていても、オープンカーで髪の毛が爆発しても、嫌っても嫌っても笑って可愛がってくれるダニエルを見ると「彼は彼で全然アリなのでは・・・」と思えてしまう部分もあります。かと言って「遊び人のダニエルとくっついたらきっと皆(視聴者)は納得しないだろうなぁ」と考えると、多くの人が求めてるものはやっぱり「誠実さ」なんですよね。
でも3作目に至っては本当にどっちも有りって感じがすごい。パトリック・デンプシー演じるジャック・クワントは、ダニエル(ヒュー・グラント)と違って浮気もしなくてめっちゃ誠実だし気も利く存在です。3作目から観始めた私は1作目と2作目のマークの立ち位置を知らなかったので尚更そう感じました。だからどっちルートなのか楽しみたいなら3作目から観るのもアリなんじゃないかなと思います。
レベッカ・ギリースの気持ちに思わず胸が込み上げる
これは2作目の最後で分かる事実ですが、途中まではブリジットの恋敵だと思っていたジャシンダ・バレット演じるレベッカ・ギリースは同性愛者でした。
彼女がブリジットのことを好きだと打ち明けてブリジットの唇を奪った時、私はハッとしました。そんな想定を微塵もしていなかったからです。普段からLGBTQだの、同性婚は認められるべきだのと主張している私でさえ、ふと自分の観念を客観的に顧みると、彼ら彼女らの存在を無視したかのような思考をしていたことに、この展開で気付かされたんです。
作中では「since having found out that his girlfriend is actually a lesbian…(彼の恋人が実は同性愛者であると判明し・・・)」というセリフがありますけど、マークとレベッカが実際に付き合っていたかは分かりません。ブリジットの「いつもの」思い込みかも。
だって直前のシーンでレベッカ本人がマークとの交際を否定していますし、仮に付き合っていたとしたらレズビアンではなくバイセクシュアルと呼ぶべきだと思うんですけどね。この辺りはストーリーの成り行きとセリフに若干の齟齬を感じます。
ベッキーの気持ちを知った上でもノンケだと誠実に断るブリジットに理解を示し、マークの元へ行くことを拒まないレベッカを見ると、2作目に限って言えば、私にとってこれが1番の感動シーンでしたね。
そして2人のキスはとても美しい。私はヘテロ(異性愛者)ですが、ヘテロ同士のキスに美しさを感じるかというと、リビドー(性衝動)を覚えたとしても「美しさ」とはちょっと違う。これが「リビドーが勝っているからなのか」は自分でも分からないんですが、2人のキスは凄く良いなと思いました。
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