赤ちゃん用ミルクの作り方、お湯の温度は40℃ではなく70℃!(WHO推奨)
先日、温度調節&保温機能付き電気ケトルのオススメ製品を紹介しようと思って調べていたら「うちの製品は40~100℃まで温度調節できます!赤ちゃん用ミルク作りにも使えます!」という主旨を謳ってる製品があったんです。(当該リンク)
でもそれってやばくない?という話です。
WHOとFAOは70℃以上を推奨している
最近は粉ミルクを使った赤ちゃん用ミルクの作り方として、WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)は70℃以上のお湯を使いましょうと共同でアナウンスしていて、日本の厚生労働省も2007年6月から同様のガイドラインを出しているんです。
それも、単に70℃まで加熱したお湯ではなく、一度沸騰させた後、冷まして70℃以上にしたお湯です。
このガイドラインの対象となる乳児は12ヶ月齢以下の乳児です。
理由
PIF(powdered infant formula: 乳児用調製粉乳)では、Enterobacter sakazakii (E. sakazakii )の感染による乳児の重篤な疾患や死亡との関連が報告されているからです。
- PIF(powdered infant formula: 乳児用調製粉乳)
いわゆるベビーミルク、赤ちゃん用粉ミルクのこと。
- Enterobacter sakazakii (E. sakazakii ): PDFデータ
エンテロバクター・サカザキ。
ヒトや動物の腸管および自然環境下に広く分布する通性嫌気性グラム陰性桿菌で腸内細菌科に属する。- 通性嫌気性菌
酸素がある場合は好気的呼吸でATP(adenosine triphosphate, アデノシン三リン酸)を生成するが、酸素がない場合でも発酵によりエネルギーを得られるように代謝を切り替えることのできる菌のこと。
乳児は細菌の感染リスクが高いので、無菌状態の液状乳児用ミルクが推奨されていますが、無菌状態の液状乳児用ミルクが入手できない場合(一般家庭のこと)は、粉ミルクを70℃以上の温度のお湯で調乳することで、感染リスクを大幅に減少させることができるとしています。
そのため、多くの育児関係のサイト、厚生労働省などのサイトでも70℃以上での調乳を推奨しています。
「はぐくみ」によるガイダンス
「はぐくみ」は森永乳業 妊娠・育児情報サイトです。以下引用です。
※2007年にWHO(世界保健機構)とFAO(国連食糧農業機関)により「乳児用調整粉乳の安全な調乳、保存および取扱いに関するガイドライン」が公表され、2007年6月に厚生労働省の指導のもと、調乳に関して従来の40~50℃から70℃以上に調乳温度が改訂されました。
作り方から飲ませ方
厚生労働省医薬食品局食品安全部によるガイダンス
乳児用調製粉乳の調乳に当たっては、使用する湯は70℃以上を保つこと。
調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは廃棄すること。
WHOとFAOによる原文と仮訳
原文と仮訳、どちらもPDFです。
- PDF: Safe preparation,storage and handling of powdered infant formula Guidelines
全30ページ。
これはWHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)によるガイドラインの原文です。英文です。- PDF: 乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン
全30ページ。
厚生労働省による仮訳です。- PDF: 乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインの概要
1ページだけです。
作り方がイラスト付きで描かれています。実際に作るならこれを見るのが最も分かりやすいと思います。
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