肩こりしにくい高級枕の選び方、探してみて分かったこと

2021年2月24日

昔、数年に渡って枕をいくつか試して凄く良い枕に出会えたことがありました。
この枕は今まで買ったあらゆる中でも満足度TOP10に入るほど気に入っているのですが、これに出会うまでに分かったこと、私なりの選び方のコツなどをお話します。

結論: 最初から高級羽毛枕を買え

20歳くらいまでは「家にあった1番使いやすい枕」を使っていたのですが、人生の1/3をベッドの上で過ごすという事実を改めて認識するようになってから、良い枕を探して私なりに辿り着いた結論が「さっさと大きめの高級羽毛枕を買ったほうが無難」ということです。
購入時の注意点は下の方で説明します。

性能を重視して買おうとすると、枕は1つで5000円から1万円くらいします。それで数回失敗したらどうします?溜まってきた寝にくい枕を家族に譲りますか?それとも中古に出しますか?人が使った枕を売りに出していくらで売れます?散財の極みです。

それだったら最初から腹をくくって3,4万円出してでも良い枕を買ったほうが賢明です。少なくとも私はそう思いました。人生の1/3も使うんですから。ちなみに私が買ったのは3万2000円くらいのでした。W80×D50cmで、ダウンが93%、充填量が600 g。(Amazonで買ったけど、暫く在庫切れ状態)

厳選オススメのキングサイズ、クイーンサイズの枕はこちらでまとめています。

変な形状の枕は疲れる

羽毛枕を買うまでに2つ買って失敗しました。

1つ目: マカロニみたいな短いチューブ状の粒が充填されていて、メッシュ生地で覆ったもの。頭の真ん中部分だけやたら凹んでいる枕

枕の真ん中の窪みに頭を持っていかれるので、寝返りを打ちにくい。首の角度を微調整できない。全体的に硬いので高さ調節も難しい。

2つ目: 横から見ると真ん中が低くて両側だけが高い枕

寝返りを打とうとすると、両サイドが盛り上がっていて首を横にできない。真ん中はちょっと低いし、端っこはちょっと高すぎるし自分の好きな高さに調節できない。充填材は不明だけど、すごく硬い綿のような感触。

これらの枕に変えてしばらくは、その新鮮味から「変えて成功した」という感覚がありました。でも・・・。

どちらとも、首を横にしたり寝返りを打つ頻度が減るせいで凄く肩が凝りました。背中がずっとベッドにあたるので背中の血行も悪くなり、目覚めの気分も悪くなることが多かった。私の教訓としては、形がガッチリと決まっている枕は避けるべきだということです。

また、羽毛じゃない枕は重いものが多い。寝返りを打つ時にちょっと動かしたいのにチカラが要るのは好ましくありません。

やっぱりダウンがダントツで良かった

というわけで、下記では買う際の注意点をまとめます。

フィルパワーとダウンパワー

どちらも羽毛のふんわり度合いを示す指標で、「定められた重さのダウンを円柱容器に入れてその嵩高を測る」という測定方法の工程は共通しています。

ダウンパワー(DP, Down Power)

JIS L1903-2011(羽毛試験方法)に基づくかさ高性試験。日本ローカルの規格。

ダウンパワーの算出方法は下記動画で紹介されています。

フィルパワー(FP, Fill Power)

主にASTM D-4522という規格に基づいた測定方法。世界標準的な規格。

  • USA法(アメリカでは2000年に廃止)
  • IDFB法(ASTM D-4522)
ダウンのフィルパワー
品質フィルパワーの目安ダウンパワーの目安
低品質なダウン500 FP以下290 dp以下
良質なダウン600 FP~700 FP350 dp~400 dp
高品質なダウン700 FP以上400 dp以上
一般的なフェザー300 FP175 dp

ダウンパワーへの換算式

フィルパワーからダウンパワーへの換算式

フィルパワー×0.578=ダウンパワー

計算式は実際にはもうちょっと複雑ですが、根拠や過程を書くと余計ややこしくなるので省略しています。

換算一覧
FPdp
400 FP231 dp
500 FP289 dp
600 FP347 dp
700 FP405 dp
800 FP462 dp
900 FP520 dp

フィルパワーへの換算式

ダウンパワーからフィルパワーへの換算式

ダウンパワー×1.73=フィルパワー

計算式は実際にはもうちょっと複雑ですが、根拠や過程を書くと余計ややこしくなるので省略しています。

換算一覧
dpFP
300 dp519 FP
360 dp623 FP
410 dp709 FP
460 dp709 FP
520 dp900 FP

厳選オススメのキングサイズ、クイーンサイズの枕はこちらでまとめています。

フィルパワーだけに騙されるな

  • フィルパワーが700 FP前後かそれ以上
  • 充填量が表記してあること(枕の総重量ではなく、羽毛だけの重さ)
  • ダウンの比率が90%以上あること(なるべく高い数値が理想)

この3点はとても大事です。

充填量に注意

フィルパワーが大きい=フカフカのダウンなのは確かです。でもフィルパワーの数字が大きくても、中に詰め込む総量そのもの(充填量)が少なければ意味がありません。充填量の少ない枕は頭を乗せるとペッタンコに潰れやすいです。

例: たとえば寿司屋で

最高級の寿司セット(5000円)を頼んだものの全部で6貫しかなかったら、いくら高級でも何だか物足りませんよね?それと同じです。量が大事なんです。

いくら「フィルパワーが700のダウンを使用」と謳っていても、それがちょっとしか使われていないのでは意味がありません。
フィルパワーが高いダウンを使っているのに極端に価格が安い場合は充填量に注意しましょう。特に、フィルパワーだけ書いてあって充填量が分からない製品は避けるべきです。

素材の比率にもこだわれ!

  • ホワイトダウン(90%以上)
  • スモールフェザー(10%以下)

この根拠は、私の枕がダウン93%でフェザー7%の枕で、十分に満足しているからです。もしかしたらもうちょっとダウンの比率が低くても使用感に極端な差は無いのかもしれませんが、試したことがないので分かりません。

ダウン(ダウンボール)

羽毛。いわゆる羽根の形状をしていないもの。柔らかくて、軽量で保温性が高い。

スモールフェザー

いわゆる羽根の形状をしているもの。硬いと生地を突き破って出てきやすい。ダウンより保温性能や重さで劣る。

一言に「ダウン」と言っても色々種類があって迷うかもしれませんが、基本的にはフィルパワーの数字を気にしたほうがいいです。例えば最高級素材と言われるアイダーダックであっても、そのフィルパワーが500 FPなら避けるべきです。

羽毛の種類と品質の違い
品種メリットデメリットグレードの目安
アイダーダック(ホンケワタガモ)最高級品で、布団なら40万円~2000万円クラスのものまである超高価★★★★★
マザーグースグースよりもダンボールが大きい高価★★★★
グースダックよりダウンボールが大きい
草食性で臭いにくい
★★★
ダック価格が安いダウンボールが小さい
雑食性なので臭いやすい
★★
例: たとえば寿司屋で(また)

最高級の寿司セットを頼んだら20貫入っていた。量には満足。
でも中身をよく見ると、半分以上はギョクとカッパ巻きだった・・・。これではちょっと困りますよね。

サイズにもこだわれ!

  • 寝ている間に頭から外れないゆとりのある大きさ
  • 好きな形に変形させて使えるゆとりのある幅

一般的な羽毛枕のサイズはW60cm×D40cm~W63cm×D43cmです。でもこれは私からすれば小さい。
私が過去に使っていた枕もそれくらいのサイズでしたが、寝返りを打ったりしているうちに頭から離れて寝違えることがよくありました。

余裕をもったサイズが必要

羽毛枕のメリットは自由自在に形状変更したり、そのクセが残らないことです。でも枕が小さいと、その変形させる余裕が小さくなります。

いま私が使っている羽毛枕はW80cmですが、もう大満足です。でも価格次第では いっそ90cmでも良いと思うくらい、枕の幅は大事です。

また、奥行きも大事です。短すぎる枕の場合、肩の部分までしっかりと枕が当たるよう寝ると頭が後ろに持っていかれる感覚も起こりえますから、しっかり包み込んでくれる50cmのタイプがオススメです。

  • W80cm×D40cm
  • W70cm×D50cm

例えばもしこの2つだったら、すごく悩ましいですが私はW70cm×D50cmを選ぶかも知れませんね。枕は少し大きくなるだけでも結構値段が変わってくるので悩む人も多いかもしれませんが、1~2万円足すだけで人生の1/3をより快適に過ごせることを考えれば、かなりお得な使い道だと私は考えています。

サイズと充填量の目安

700 FPの場合のサイズと充填量の目安一覧
サイズ寸法オーバーフィルミディアムソフトスーパーソフト
キング90×50 cm880 g680 g480 g430 g
クイーン80×50 cm760 g560 g420 g340 g
スタンダード70×50 cm600 g500 g370 g300 g
日本標準63×43 cm530 g410 g290 g260 g

この表でも、700 FP以下の場合は重量を鵜呑みにしないで下さいね。

厳選オススメのキングサイズ、クイーンサイズの枕はこちらでまとめています。

美容,寝具

Posted by maa / 麻