カラスミの作り方

カラスミの作り方を紹介します、

日本三大珍味

  • うに
  • このわた(ナマコの内臓の塩辛)
  • カラスミ(ボラの卵巣の干物)

手軽な作り方

卵巣を取り出す

ヘソ(肛門周り)のウロコを取り、逆さ包丁で腹を割く。刃先より前に人差し指を当てると刃先が卵に刺さらない。
ヘソは卵につけたまま一緒に切り取る。

水洗い

優しく丁寧に水で洗う。

塩水漬け

美味しい天然塩で10%~15%濃度の塩水を作り、卵巣を浸ける。2日~3日。

干す

昼間は天日干し、夜は室内に取り込む。室内でしか干せない場合は、扇風機(弱風)で風を当てると良い。
これを10日ほど繰り返す。

省略した工程

「簡単な作り方」では、工程を簡略化するために、次の工程を省略しています。

  • 血抜き工程を省略
  • 臭み取り
  • 塩漬け→塩水漬けに変更
  • 再び水洗い
  • 塩を抜く
  • 取り出し
  • ヘソを切り取る

もっとこだわりたい人は次の「本格的な作り方」を参照してください。

本格的な作り方

卵巣を取り出す

ヘソ(肛門周り)のウロコを取り、逆さ包丁で腹を割く。刃先より前に人差し指を当てると刃先が卵に刺さらない。
ヘソは卵につけたまま一緒に切り取る。

水洗い

優しく丁寧に水で洗う。

血抜き

細い血管を串の腹やスプーンなどで1番太い血管に向かってしごいて、血を集める。そして太い血管に裁縫針、まち針、画鋲、串などを差して血を抜く。卵巣に傷がつかないなら、太い血管自体を取り除いても良い。雑味が減り、見た目も綺麗に仕上がる。
更に血を抜くために真水に浸して冷蔵庫で8時間寝かせる。薄い塩水でも良い。(自然塩)
(ここまで約1日)

臭み取り

水切りバットなどに乗せて、強めに天然塩を降って3時間~4時間おいて、出てきた臭い水を捨てる。この工程をサボると生臭いカラスミになってしまうのでとても大事

塩漬け

美味しい天然塩で塩漬けにする(岩塩、藻塩、天日塩など)。臭み取りで使った塩は洗わなくていい。2日~14日間塩漬けにする。
毎日、出てきた水を捨てたり卵巣をひっくり返して、適宜 塩を補充する。日数は卵巣の大きさ、お好みでご自由に。(通常は7日程度)
温度管理に注意しながらここでしっかり塩漬けにしないと、腐ったり食あたりを起こすので注意。特にヘソはしっかり塩をつけること。
(ここまで約3-15日)

再び水洗い

塩漬けで付いた表面の余分な塩を洗い落とす。

ヘソを切り取る

1本ずつ卵巣の付け根をヒモで縛る。縛ったらヘソを切り取る。こうすることで、天日干しの際にヘソ周辺の身の臭いや腐敗を防げるし、1本ずつ管理しやすくなる。

塩を抜く

1日~2日ほど酒(日本酒、焼酎、洋酒など)に浸すか呼び塩・迎え塩(薄い塩水に浸けて塩を抜く、6~8時間毎に水交換)をする。ボラが大きい場合や塩漬け日数が長い場合は4日~5日塩抜きをする。塩漬け日数=塩抜き日数という人もいる。
酒と呼び塩を組み合わせるのも良い。例えば酒と呼び塩を混ぜる、あるいは仕上げの段階で酒に切り替えるなど。

目安:全体的に芯が取れて柔らかくなれば取り出す。
(ここまで約5-20日)

取り出し

塩抜きの水から取り出したら木の板、金属バットなどに乗せて、軽めの重しを乗せて一晩放置する。板を傾けておくと水切れが良い。
重しを乗せる理由は、カラスミを平らにしたほうが乾燥が早くなるから。
(ここまで約6-21日)

干す

昼間は風通しの良い場所で天日で干し(シワが出たり傷みそうなら陰干し)、夜は室内に取り込む。理由は、夜露で濡れてしまうから。
室内でしか干せない場合は、扇風機(弱風)で風を当てると良い。
1日に1回か2回、表面に日本酒を塗って軽く磨くと、全体の湿り具合が均一になってシワを減らせるし、表面に艶・光沢が出る。焼酎などの度数の高いアルコールだと防カビ・殺菌効果も期待できる。

これを10日から3週間ほど繰り返す(卵巣の大きさ、こだわり具合による)
(ここまで約16-41日)

保存方法

出来上がったカラスミは真空パックにするかラップフィルムでしっかりと包んで冷蔵庫に入れておけば3ヶ月は保存がききます。

カラスミが出来上がった段階でオリーブオイルを塗ったり、切り取ったヘソの脂身を擦って油膜でコーティングしてもいいですが、ラップフィルムなどで密閉するならそこまで気にする必要もありません。したければお好みでどうぞ。

薄皮のめくり方

表面が乾燥していると薄皮がすぐに千切れてしまいます。そういう時は表面にお酒を塗って数分置いて皮をふやかしてから剥いてみてください。

面倒なら、スライスしてからガスバーナーで表面だけを炙ってもいいかもしれません。