地鶏の定義ってめっちゃいい加減じゃない?

最近、地鶏肉の地鶏ってどういう定義なんだろう?と疑問に思ったので調べてみました。

JAS(日本農林規格)の改正概要~地鶏肉~

2ページだけですが、PDF形式で地鶏の定義が記されています。

条件1: 4つの条件を全て満たせば地鶏と名乗ることができる

親のどっちかが在来種

まず第一に、在来種由来血液百分率が50%以上なら地鶏の資格があります。

在来種由来血液百分率

親鶏の血液百分率を合計し、2で割ったもの。

ということは、例えば雄鶏が在来種なら、雌鳥がどんな品種だろうとOKということです。

地鶏とは

この上のリンクでは、天然記念物に指定されている鶏のうち、地鶏に用いられている主な在来品種6種の画像を見ることができます。ちなみに、同規格では日本に定着した38種類を在来種として定義しています。

条件2: 飼育期間が80日以上

卵からかえってから80日以上飼育する必要があります。

条件3: 孵化から28日以降は平飼い

平飼いをする必要があります。平飼いと放し飼いは厳密には異なる飼育方法です。

平飼い

鶏舎内や屋外を自由に歩き回ることができる状態で飼育すること。これに対し、ケージの中で飼育することをケージ飼いという。

放し飼い

平飼いのうち、日中に屋外で飼育する方法。

条件4: 1羽あたり0.1 m2以上の飼育スペース

地鶏っていうと、その言葉だけでなんだか野性味あふれる飼育がされていそうなイメージがあります。自由に駆け回れるくらい広いところで伸び伸びと育ったイメージ。

でも、定義上では孵化後28日後に1 m2で10羽以下で飼育すれば地鶏を名乗る条件の1つを満たすことができます。

1 m2で10羽って、1 m四方のスペース10羽です。1羽で0.1 m2ですよね。

違うスケールで例えたらこんな具合です。

  • 0.1 m2=開いたノートくらいの大きさ

  • 学校の机(40 cm×60 cm)の上で2羽飼育するくらい

  • 畳1枚(0.9×1.8 m)の上で16羽飼育する

これってめちゃくちゃ狭くありません?少なくとも「地鶏」という言葉から想像される飼育条件ではないと思うんですけど。

もちろん全ての養鶏場がこの最低ラインで飼育しているわけでもないし、餌の質でも味は変わるでしょうけど、この条件でも地鶏って名乗れるんだぁと知ったら、「地鶏」という言葉のありがたみはなくなっちゃいました。