『ラ・ラ・ランド』の感想
冒頭からネタバレがあります。
2017年、ツイッターでは『ラ・ラ・ランド』についてやたらと皆が盛り上がってました。
で、2018年になってアマゾンプライムで無料視聴できるようになってたので観てみました。
概要
- ラ・ラ・ランド
公式ページ。
タイトル | 原題 | 年代 | ジャンル | 時間 | 国 | rating | 制作費 | 売上 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ラ・ラ・ランド | La La Land | 2016年 | ミュージカル ロマンティック・コメディ | 2時間8分 | アメリカ | G | 3000万ドル | 4億4605万ドル | Damien Sayre Chazelle |
ラ・ラ・ランド(La La Land)は2016年8月31日にヴェネツィア国際映画祭)で初公開された映画。
日本では2017年2月24日に公開されました。
あらすじ
ライアン・ゴズリング演じるセバスチャン(セブ)・ワイルダーと、エマ・ストーン演じるミア・ドーランの2人の恋愛を描いたミュージカル仕立ての映画です。
セブはしがないジャズピアニストで、ミアは女優志望。
- 冒頭の渋滞
- ミアのシェアルーム
- 車を取りに行った夕方の坂の上
- セブが1人で海に行った時
- 2人で映画館に行った後
- ミアがセブのお店「セブズ」でセブと再会した時
映像は仕立て方が素晴らしい
映画館に行ったあとに2人がダンスするシーンでは、空から降りてきてベンチにゆっくりと座る場面があって、空中から着地するところもすごく綺麗に動きが繋がっていくんです。「この映像どうやって作ってるんだろう?」と思いましたね。(58分頃)
エマ・ストーンの演技も素晴らしい
冒頭からさっそく、女優としてオーディションを受けるミアの凄い演技を見ることが出来ます。
この演技が普通にすごい。これでオーディションに落ちるっていう流れは意味不明だなぁって思うくらいに素晴らしいです。
音楽はかなり凝ってる
映画の音楽ってしょぼいことが多いんですけど、この映画の音楽は本当にチカラを入れてるなぁと感じました。
この映画にはソウル歌手でピアニストのジョン・レジェンドが助演として出演していますが、彼はエグゼクティヴ・プロデューサーとして映画全体の音楽を手がけています。
ただ、セブが目指してる本物のジャズが「本当に本物か」っていうとちょっと疑問です。
たまにですが、私も有名どころのジャズだけは少しばかり聞いてるんですけど、そういうのと比べると「ちょっと何か違うなぁ」という部分を感じてしまいました。
まぁ私が聞くのはほとんどジャズヴォーカルなんですけどね。
- ジョン・コルトレーン
- ビル・エヴァンス
- ナット・キング・コール
- エラ・フィッツジェラルド
- サラ・ヴォーン
- ビリー・ホリデイ
- カーメン・マクレエ
- John Legend just became the first black man to become an EGOT winner — and Chrissy Teigen couldn’t be prouder
- EGOT! エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞すべて手にしたツワモノたち
ジョン・レジェンドは2018年の第70回エミー賞を受賞し、黒人として初めてEGOTのウィナーとなった。
- EGOT
エミー賞(Emmy)、グラミー賞(Grammy)、オスカー賞(Oscar)、トニー賞(Tonny)の4つを受賞を指す。2019年時点でも歴代を遡っても15人しかいない偉業。
クドい部分もある
クドイ場面がいくつかあって、全体としては少しかったるいし割と長く感じてしまいました。
冒頭が特にクドい。ミュージカル映画らしい始まりにしたいんでしょうけど、ここはちょっと唐突すぎてついていけませんでした。
- 追記
最初感想書いたときはPrime Videoに表記されている127分を1時間27分と読み間違えて、それを「時間の割に長く感じた」と表現しました。
2時間超としては妥当と思えますが、やっぱり長いと感じる感は拭いきれません。
ラストに不満が多かった
まず1つ目の不満は、車で「なんか交通事故でも起こりそうな雰囲気」を醸し出す演出です。
この演出って大抵2パターンが一瞬で脳裏をよぎりません?1つは「車が事故って旦那が他界して、ミアとセブがくっつく」と思わせる。もう1つは「そう思わせておいて何もない」です。どっちのルートも大抵の視聴者はすぐに発想しますし驚きもない。かと言ってまた違う展開ってそうそうないでしょ?あったとしても対した展開にもなりません。
2つ目。
映画の前半(25分頃)で2人が初めて出会ったレストランのシーンに戻り、そこで二人はキスをします。
このシーンに再び立ち戻った時、「どんな伏線が回収されるの!?」ってすごくワクワクしたんですけど、キスをした途端に思いっきり冷めました。
ちょっと意図が分かりませんでした。2人の「たらればの妄想」かな?
「何その展開・・・・」っていう感じです。せっかくのラストなのにガッカリしましたね。まぁこれは私の人生観による部分もありますけどね。
だって、「もしこうやって出会ってたらこういう結末だったかも」なんてことを空想するのは無意味だと思うんですよね。それも初対面ですよ。そうやって知り合ったとしても違うところで結局は破綻したかもしれないじゃないですか。
人間は、「なかなか現状が最善の状態だという認識が出来ない」のはよく分かります。それが出来る人って本当に凄い人だと思いますし、私は尊敬します。
人生を振り返って、「ああしてればこうなってたのに」って。でもその空想では、その将来の破綻(例えば不慮の事故に合ったり、違う不幸に見舞われること)が一切考慮されていないんですよね。
その理想の選択肢を選んだ人生だったとしても、人はまた将来どこかで後悔するんです。
そういうナンセンスなことをラストにぶっこんできたので、私は「ええええ・・・」ってなっちゃいました。100歩譲って、人間らしさを表現するためにそういう演出だったとしても、立ち戻ったのがなぜあのシーンなのか。なんか色々腑に落ちませんでした。
だって、もっと言えば学生時代に付き合ってた恋人がいたとして、その人との未来を夢想することだってできるわけです。セブとの出会いもそういうことの1つに過ぎません。「セブとの関係についてフォーカスしているから」と言ってしまえばそれまでなんですけどね。
観て損はありませんが、みんなが騒いでいたほどかっていうとまたちょっと違いますね。
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