『美味しんぼ』第75話「おせちと花嫁」の感想

1991年1月8日アニメ版の『美味しんぼ』第75話「おせちと花嫁」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第88話)

あらすじ

若吉葉の花嫁選び

若吉葉が九州場所を全勝優勝。これで今年の優勝は3回目。
大原社主ら3人で島高部屋へ行くと、親方から良家との見合いの相談を持ちかけられます。候補は3人。

  • 病院の令嬢
  • 大きな料亭の令嬢
  • 材木屋の令嬢

大原はこう提案、「横綱が親方になった時、女将に求められるのは器量・芸事もさることながら、周到な心遣い・気配り・料理の腕前であり、花嫁候補を選ぶにはおせち料理を作らせるのが良い」と。
しかし栗田は、この話の最中に若吉葉がずっとすみ子を意識していることに気付きます。

すみ子

呼び出しだったセンキチの娘。千吉(?)が他界してからは身よりもなく、島高部屋でおかみさんの手伝いをしている。

後日、山岡と栗田は年末の市場で丹波の黒豆を仕入れているすみ子に遭遇。一昨年から黒豆を炊いているが失敗続きだと聞いて、山岡は黒豆の煮方を指南。岡星からの帰り際の挨拶で、2人は両想いだと栗田は知ります。

花嫁のおせち

花嫁Aのおせち(材木屋の令嬢)

鯛、伊勢海老などを使った豪華な和風と中華の折衷おせち料理。

おせちも花嫁修行のひとつだと、自身で作った。

花嫁Bのおせち(大きな料亭の令嬢)

ローストビーフ、スモークサーモン、鳥の丸焼きのおせち料理。

元々 保存目的だった重詰めのおせちは美味しくない。クックに作らせた。

花嫁Cのおせち(病院の令嬢)

昔の大名のおせち(坂平家の正月料理)を忠実に再現したもの。

すみ子のおせち

島高部屋の庶民的なおせち。

しかしどれも金さえ払えば手に入るようなおせちばかり。若吉葉は丁寧に仕上げられた黒豆を見て、親方にすみ子との交際を申し入れます。親方は反対しますが、おかみさんの鶴の一声。
それでも食い下がる親方を見て山岡は若吉葉にぶちかましてのがぶり寄り、怒涛の寄り身で親方を倒せと提案。

年明け。
新春恒例の奉納土俵入りで横綱・若吉葉はすみ子も見守るなかで立派な四股を踏みます。

登場した料理、食材

黒豆の煮方

丹波産黒大豆を一晩水に浸ける

皮が裂けた豆は取り除く。そのまま煮ると豆が崩れて、全体の仕上がりが汚くなるため。

鉄釘を数本入れる

鉄鍋で煮るか鉄釘を数本入れた布袋を入れる。黒豆の色はアントシアン系色素で、金属イオンと結びつくと綺麗に発色するため。

ビックリ水

20分ほど煮て沸騰しかかったところでビックリ水を入れる。黒豆は豆が硬いので皮から先に火が通って膨らんでしまう。ビックリ水を入れると皮が縮もうとするのでシワが取れる。

弱火で煮続ける

夜まで煮続ける。寝る時は火を切り、翌日もまた煮続ける。忙しい時は岡星精一に面倒を見させる。

3日目

手のひらで押し潰した時に中身と皮が同じように潰れれば良い煮え方。
火を切って鍋をゆっくり冷ます。ぬるま湯程度になったら水を少しずつ加えて冷やす。シワができないようにするには、黒豆を空気に晒さず、ゆっくり冷やすことが大事。

水切り

常温まで冷えたらザルに上げて水を切る。

砂糖水に漬け込む

いきなり濃い砂糖水に浸けると浸透圧の差で豆の水分が抜け出てシワができてしまうため、何回かに分けて徐々に濃い砂糖水に浸ける。仕上げる日に食べたい甘さに仕上げる。
浸けた水は使い回さずに新しい水に入れ替える。

5日目

完成。求める甘さの砂糖水に入れたら、瓶などの密閉容器に入れて保管しておき、食べたい時に盛り付ける。

感じたこと

鉄釘でタンニン鉄、二価鉄イオンのキレートを思い出した

以前、自分で盆栽用とかプランターの野菜用の活力剤を作ろうと思って色々調べている時に知ったのがタンニンとかクエン酸を使ったキレート鉄。

タンニン鉄

緑茶ティーバッグと鉄釘をペットボトルに入れて水を入れておくと真っ黒な水(タンニン鉄)ができて、これを畑に撒くと植物の生長が促進されると言われている。理由は、タンニン鉄になった鉄は、植物にとって吸収しやすい状態になるから。

黒豆の色素も、緑茶に含まれるタンニンと同じポリフェノール系で、ぬか漬けに鉄玉子を入れると茄子が鮮やかな青紫色になるというのも同じ原理です。

花嫁の声優陣

潘恵子
  • HUNTER×HUNTER(第2作):ミト
鶴ひろみ
  • 美味しんぼ:花嫁A
  • ドラゴンボール:ブルマ
高田由美
  • 美味しんぼ:花嫁B
  • クレヨンしんちゃん:よしながみどり〈よしなが先生〉
江森浩子
  • 美味しんぼ:花嫁C
  • ドラゴンボール:餃子