『美味しんぼ』第91話「五年目のパスタ」の感想
1991年6月11日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第91話「五年目のパスタ」をアマゾンプライムビデオで観ました。（美味しんぼTVシリーズ第105話）
あらすじ
新人の信
行楽日和。
山岡と栗田は道路横の草むらでたっつぁん（辰さん）たちが昼間から宴会に合流し、そこで新人の信と出会いますが、何かワケありの様子。
田畑と花村のお弁当のお使いから戻った栗田は、蒸発した夫の情報提供を呼びかける番組で信の氏素姓を知ります。
- 吉村信康
辰さんのグループの新人。グループ内では信と呼ばれている。
元は、妻である久美子の父から引き継いだ大阪のイタリアン・レストランMERCURIO（水星）のオーナーシェフ。
おやっさん（久美子の父）は婿の条件として、信と同僚の木崎を5年間イタリアで修業させ、2人を競わせる密約を交わします。
しかしその2年後におやっさんは他界。訃報を知っても木崎は帰りませんでした。
一方、居ても立っても居られなかった信は5年間の言いつけを破って帰国し、父を亡くした久美子を支えるうちに成り行きで結婚。
これに怒ったのがライバルの木崎。もし自分が勝てば、密約を久美子に明かすという条件に突きつけて信に勝負を挑みます。プレッシャーに耐えられなくなった信は蒸発して東京で辰さん達との生活を始めていました。
木崎との勝負
山岡はコーヒー喫茶NCCで木崎と面会して説得しますが木崎の意志は固く、勝負は避けられませんでした。
山岡と栗田は本格イタリアンを食べて作戦を練ろうとLa Cumeを来店し、メニューが多くて目移りすると漏らした栗田に、山岡は勝機を見出します。
木崎の出した料理は仔牛の肋を使った料理。一方、信の出した料理はマカロニだけ。しかし、そのマカロニの中には色んな具が詰められており、木崎は静かに敗北を認めます。
登場した料理、食材
辰さん達と食べた料理
- あちこちから貰った残りの酒を全部混ぜちゃった日本酒のカクテル
- 銀座一のフレンチレストランから出た鹿肉ステーキ
- こってりとしたソースで煮込んだパスタ
山岡の説明したパスタの種類
- フィットチーネ
きしめんに似ている
- カッペリーニ
素麺によく似ている
- ファルファッレ
リボンの形をしている
- コンキリエ
貝殻の形をしている
- ラザーニャ
四角いワンタンのよう
信の出したマカロニ料理
- 牛の骨髄を詰めたマカロニ（ブラウンソースを掛けてオーブンで焼いたもの）
- 牛の脳みそを詰めたマカロニ
- レバーのパテを詰めたマカロニ
感じたこと
パスタとアンティパスト
- 士郎「パスタとアンティパスト。パスタの後に食べるメインディッシュと組み合わせて食べるもの」
- クリ子「パスタはスープのようなものなんですね」
このやりとり「アンティパスト」の扱いに少しモヤっとしました。クリ子の言うように、イタリアのコース料理として、「プリモ＝スープ感覚でパスタ、セコンド＝メインディッシュ」という話ならまだ分かります。
でも、士郎の言う「パスタの後に食べるのがアンティパスト」というのは順序として違うのでは？と思ったんですよね。
木崎が切る仔牛の肋肉
内側にすごく分厚い肉が付いているんですけど、ここは腹腔なので本来なら内蔵が収まるように肉が無いはず･･･。
木崎カッコ良すぎる
約束を破った信のおこないが全ての発端であって、木崎は完全な被害者です。
士郎の言う通り、本来なら自分のほうが美味しいと言い張ることも出来た勝負だったはずです。でもそうしなかった。
木崎は2人は腕の優劣より、木崎としての及第点を信が取れるか、久美子を任せれるだけの力があるかを試したかったのかもしれないのかなぁ、と。