韓国への輸出規制と管理体制を調べてみた

2019年10月8日気になった事

どうもろくまるです。たまには政治経済についても触れてみたいと思います。というかほとんど自分用の備忘録ですね。

2019年7月、日本と韓国が揉めています。理由としては、日本から韓国への輸出について戦略物資の管理体制に疑問があるというもので、ホワイト国(White-list)の除外などもあり荒れに荒れています。

ホワイト国除外と戦略物資の輸出規制

戦略物資として指定されたのは次の3つの半導体材料です。

  • フッ化水素
  • フッ化ポリイミド
  • フォトレジスト

日本の主張

この3つを規制する理由は、「安全保障」。どれも軍事転用が可能らしいですが、それらの素材について日本は「韓国がちゃんと管理をしていないから輸出規制する」と主張。

詳細はこちら(なぜ韓国は「ホワイト国」から外されるのか(時系列まとめ)|IT media

韓国の輸出管理能力

ここでは下記リンクのデータを参照しています。

http://isis-online.org/uploads/isis-reports/documents/The_Peddling_Peril_Index_Final_May2019.pdf

The Peddling Peril Index (PPI) 2019

1993年から活動するアメリカのシンクタンク。(Wikipedia: Institute for Science and International Security

@TheGoodISIS

isis-online.orgのTwitter公式アカウント。

韓国の管理能力は日本よりも上

2019年版の162ページ目を見てみると、韓国は17位で日本が36位。1300点満点中、韓国は897点、日本は818点。

ちなみに2017年データでは日本のほうがランクは上でした。日本が29位、韓国が32位です。

日韓の戦略物資監視能力は同等

147ページ目のTier One Ranks and ScoresにおけるAbility to Monitor and Detect Strategic Trade(戦略物資の取引を監視および検出する能力)の項目を見てみると、韓国は200点満点中145点で日本も145点。同点です。

年を追うごとに韓国のランクが下がっていくのなら「コレは良くない」と判断するのはまだ妥当だと思いますが、その逆で年々向上していて、しかも総合では日本よりも上と評価されていました。これは1シンクタンクの調査結果ですから絶対的なものではないとは言え、日本の主張にはちょっと無理があるのでは?と感じざるを得ません。

ホワイトリストと徴用工問題

徴用工問題とは、「2018年10月30日、韓国の大法院(日本の最高裁判所に相当)が新日本製鉄に対して元徴用工の韓国人4人へ1人あたり1億ウォンの損害賠償を命じた判決」のことです。

日本強制動員被害者の日本企業を相手にした損害賠償請求事件に関する2018年10月30日の判決文

徴用工の個人請求権

まぁこういう話をすると「個人請求権は消滅した」とかどうとかいう話が出てくるわけですが、徴用工訴訟はこれだけではなく、以前から中国で和解が進んでいる案件もあるんですよね。河野太郎外相だって2018年11月14日の衆議院外務委員会で個人の請求権が消滅したと申し上げるわけではございませんと言って、徴用工の個人請求権が消滅していないことを認めているわけでしょう?(徴用工個人の請求権 外相「消滅してない」衆院外務委 穀田議員に答弁

では尚更、この件に関しては韓国の司法に任せるべきではありませんか?

世界は日本どう見るかという俯瞰

上記のデータから、「輸出管理に問題があるという理由でホワイトリストから外す」というのはだいぶ無理があります。それで仮に国内の一部の層を煽ることが出来たとしても、世界各国からどう見られるかということを考えると、日本にメリットは何1つ無いんですよね。

結局、徴用工判決の報復に過ぎない

日本がいくら「韓国の貿易管理能力が~」という理由付けをしても管理能力は同等なので、第三者から見れば難癖をつけているようにしか見えないでしょうし、前後関係からいって第三者からは「徴用工訴訟の判決の報復措置」だと捉えられることでしょう。

他国の判決が気に食わないからといって、経済活動で報復に出るというのは他国の三権分立に介入しているわけでしょう?どう考えても倫理的に間違っています。

だって想像してみてください。例えばあなたが海外の会社社長だとしましょう。もし輸入先の国の政府が、あなたの国の裁判結果が気に入らないからといって輸出を規制してきたら、あなたの会社は損害を受けます。「だったらリスク回避のためにその国からの輸入は減らそう」ってなるのが普通でしょう。

双方の損

韓国は日本の素材が入手できなくなって確実に損をしますが、輸入先を変更したり、自国生産品に切り替えたら自己解決できます。現行法では課題もあるようですが、韓国政府が支援すれば法改正はあっという間に終わるでしょう。

一方、大口顧客を失って真っ先に損をするのは日本でフッ化水素などの素材を製造している会社ではないでしょうか。しかも将来 規制が解除されたとして、取引が元に戻るでしょうか。「また同じことが起こったら困るからあの企業とはあまり取引しないでおこう」という考えに至るのが自然ではないでしょうか。どちらも心配です。