2019年8月のアマゾン森林火災と地球の森林面積の真実

2019年10月22日気になった事

2019年8月、TwitterやInstagramで「アマゾン森林火災がめっちゃやばいとネット上では騒がれているのに、テレビではニュースにならない!」って言う人がいて気になり始めて調べてみました。調べてみたらこれが面白い。

火災発生件数が2018年比で83%増加

2013年以降で最多の7万3000件近くで、大半がアマゾンで起きたものだった。これに対し、2018年の同時期に起きた森林火災は3万9759件

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うん、確かにニュースでは深刻そうに言っています。でも2016年の火災件数は6万8000件で、2016年にもほぼ同規模件数の火災が起こっていたんです。じゃあ当時そんなに騒いでいたかというとそんなことはないんですよね。
っていうか「前年比83%増」の根拠にしている2018年の件数がここ6年でかなり少ない方だったんですよ。

ブラジルの森林の年間損失面積

うん、それで肝心の面積は?しかも何で過去6年間での比較なの??もっと昔にはもっと大規模な火災件数はなかったの???

2016年にも同規模の火災件数があって、しかも1件1件の火災規模が同程度なら、2016年には大幅に森林が現象しているはずですよね?過去のデータを見てみましょう。

下記の表は森林火災面積ではなく森林損失です。パーセンテージは、1970年時点の410万 km2あった森林面積を100%とした時の比率です。1

1970年から2018年のアマゾンの森林減少(一部抜粋)
年間損失( km2 1970年比の残存割合
1970年 100%
1990年 13786 km2 89.4%
2000年 18226 km2 86.0%
2004年 27772 km2 83.7%
2008年 12911 km2 82.3%
2009年 7464 km2 82.1%
2013年 5891 km2 81.5%
2014年 5012 km2 81.4%
2015年 6207 km2 81.2%
2016年 7893 km2 81.0%
2017年 6947 km2 80.9%
2018年 7900 km2 80.7%

2016年には2019年と同規模の件数の火災がありました。消失面積も過去数年に比べると突出していますが、2004年比では28.42%程度の損失です。(いや2004年が多すぎたってのもあるでしょうけどね。)
で、2008年以前に比べると年間損失は大幅に減少傾向にあります。
しかも2005年-2018年までの14年間では2.5ポイント減少。年平均0.178ポイントのペースなんですけど2016年も0.2ポイントで平年並み。

もう1つ。Twitterとか見てみると、この83%という数字にとらわれて森林の8割が燃えてると思っている人もいるみたいですね。

火災の原因

  • 農村の人が牛の放牧をするための森林伐採にともなう野焼き。2

  • 森林が自然回復しないような規模の非伝統的な焼畑農業。

小泉進次郎のステーキ発言と野焼き

小泉進次郎さんが2019年9月に環境大臣に就任し、国連気候行動サミットに出席するためニューヨーク訪問中に毎日でもステーキを食べたいと発言して物議を醸していました。

実はこの話とアマゾン森林火災は関連があります。なんでアマゾンの農村の人が野焼きするかというと、ステーキを食べたい人に牛肉を供給するためなんです。なので、本当に森林火災を防ぎたいならまずは全員が肉食を控えなければなりません。

じゃあ「全員がヴィーガンになれって話?」というとまた話がややこしくなる。ヴィーガンの人はお肉から摂取できるビタミンB12が欠乏しがちで、海苔やシイタケから摂取できるもののサプリメントに頼ったりもするので、健康面を考えるとそれはそれでどうなんだろう?と考えてしまいます。

ブラジルの年間森林減少

  • 1990年から2000年までは2890 ha(0.51%)。2

  • 2000年から210年までは2642 ha(0.49%)。

まぁ減っているのは周知なんですけどね。私もこれを調べるまで知らなかったんですけど、2031年から一部では焼畑農業が禁止になることが決まっているんですね。

この条例により、こう配が12%未満のほ場は2021年から、こう配が12%以上または150ヘクタール未満のほ場は2031年から焼畑が禁止されることになった。

ブラジルさとうきび産業の情勢

でも地球全体の緑地はむしろ増えている

森林減少で騒いでいる人は「地球規模で森林が段々減っている」と思っているから騒いでいるのでしょう。でも2019年2月12日に公開されたNASAの記事によると、中国やインドが緑地化を推進しているお陰で地球全体の緑地は増えていると言っています。

Taken all together, the greening of the planet over the last two decades represents an increase in leaf area on plants and trees equivalent to the area covered by all the Amazon rainforests. There are now more than two million square miles of extra green leaf area per year, compared to the early 2000s – a 5% increase.

NASA|Feb. 12, 2019

これによると、過去20年間の地球全体の緑化はアマゾンの熱帯雨林全体に存在する植物や木の葉と同じ面積分増加しています。年間200万平方マイルを超える緑地化により、2000年代初頭に比べて地球全体の緑地が5%増加しているんですよね。

もちろん、だからと言ってアマゾンの森林が減って良いワケではありませんが「このタイミングで騒ぐのは何か違うんじゃない?騒いでる人は本当に実情を知ってる?てか原因を知らずにお肉食べてない?」って思っちゃうんですよね。

まとめ

一部のメディアでしか騒がれないのは、面積で見たらたぶん今年も平年並みだからではないでしょうか。(2019年8月時点では具体的な数字が見つからないので分からない)

もし平年並なのにメディアが騒いでいるとすれば、ビジネスか政治絡みの道具に使ってる可能性が高いですね。2020年以降、2019年の森林喪失面積が発表されたらそれと照らし合わせてみましょう。

出典、参考資料