カメラの動画撮影技法と効果

ここでは動画撮影の基本テクニックをまとめていこうと思います。他にも知ってる技法や効果があったら教えてください。

オービットショット(Orbit shots)

被写体を中心にして、カメラが円弧を描くように周囲を回りながら撮影する方法。焦点距離の長いレンズを使うことで大きなパララックス効果を得ることができる。
レンズの焦点距離が長ければ長いほど圧縮効果が大きくなり、背景の力強い動き・強い回転感によりパララックス効果も大きくなる。

パララックス効果(Parallax effects)

視差効果とも言う。パーツ同士、前景と後景が違うスピードで動くことで立体感・奥行き・臨場感などが得られる視覚効果。撮影後の編集で効果を生み出すこともあれば、撮影方法の工夫だけで生み出すこともできる。

Webデザインでも応用され、Appleなどのガジェット系の公式サイトではスクロールに応じてパララックス効果が現れるよう設計されたWebページがよく見られる。

圧縮効果

被写体と背景の位置関係を固定した場合、離れた位置から望遠レンズで撮影することで、(広角レンズで寄って撮るのに比べて)遠くの後景が前景のすぐ後ろにあるように感じられる効果のこと。(引き寄せ効果)
カメラ位置が同じであれば広角レンズで撮影して中心部をクロップしても同じ効果を得られるが、クロップする分だけ画質が落ちる。焦点距離の長いレンズを使うほど効果が大きくなる。

圧縮効果の正体、立ち位置の関係についてはジェットダイスケさんが分かりやすく解説されていた。

引き離し効果

圧縮効果とは真逆の効果。前景と後景を大きく引き離す効果。広角レンズで撮影することで得られる効果。
圧縮効果においては、広角レンズでもクロップすることで望遠レンズの代用になりうるが、引き離し効果は広角レンズであればあるほどその効果が大きくなり、望遠レンズでその代用はできない。

背景を引き寄せる効果(圧縮効果)の対義語として、ここでは便宜上「引き離し効果」としておく。あまり見聞きはしないが実際そう言っている人もいるので。(上で紹介した動画のジェットダイスケさんも)

人物にオービットを用いれば人物の背景が高速で動いているように見える。困惑・緊迫感・不安感・孤立感・焦燥感・陶酔感を表す場合によく使われているように思う。ヘリコプターを被写体とするシーンでも動きや臨場感を出すためによく使われている。(というかヘリコプターを普通に撮影するとすごく地味になってしまうから)

ドリーイン、ドリーアウト(Dolly-In, Dolly-Out)

ドリー(ドーリー)とは、移動式撮影機台のこと。この台に乗せて動かしながら撮影することに由来する。日常用語としては、物を運ぶタイヤ付きの台を全般的にドーリーと呼ぶ。

ドリーイン(Dolly-In)

カメラを台に乗せて前方に進みながら撮影する方法。

ドリーアウト(Dolly-Out, Dolly-Back)

カメラを台に乗せて後方に下がりながら撮影する方法。ドリーバックとも言う。

ドリーズーム(Dolly zoom shots)

被写体に対して前方または後方に移動しながら、ズーム操作をおこなう撮り方。前方に移動しながらズームアウト、または後方に移動しながらズームインする。人物を対象にしてよく使用され、混乱・衝撃・決意などの心の大きな変化やその直前で使われることが多い。

ドリーイン&ズームアウト(Dolly-In-Zoom-Out, Zolly-In)

カメラワークとしては前景(被写体)に近づいているのに後景が遠ざかっているように感じる撮影方法。 /p>

ドリーインしながら、レンズではズームアウト操作をする。

ドリーアウト&ズームイン(Dolly-Out-Zoom-In, Zolly-Out)

カメラワークとしては前景(被写体)から遠ざかっているのに後景が近づいているように感じる撮影方法。

ドリーアウト(ドリーバック)しながら、ズームイン操作をする。

どちらの方法でもインとアウト両方の単語が存在するためか、両者を区別する表現は多く見られなくて、漠然と「ドリーズーム」と呼ぶ場合が多い。ドリーアウト&ズームインのことをZolly-Outと表現する例を見かけたので、便宜上ここではそう表記しておく。(ただし逆のことを言っている例もある。皆はどっちが適切だと思う?)

ドリーズームには、同じ撮り方でも色んな呼び方がある。

ドリーズーム (Dolly Zoom)

最もよく使われる表現。

ヒッチコックショット (Hitchcock shot)
ヴァーティゴショット (Vertigo Shot)

アルフレッド・ヒッチコック監督による1958年のアメリカ映画『めまい』(Vertigo)で使用されたことに由来する。

ジョーズ効果 (Jaws Effect)

スティーブン・スピルバーグ監督による1975年のアメリカ映画『ジョーズ』(Jaws)で使われたことに由来する。

サメとその行動についてのネガティブなステレオタイプを持つ意味での「ジョーズ効果」とは別。

Jawsで使われたのはZolly-Out。

ゾリーショット (Zolly Shot)

Zollyとは、DollyとZoomをくっつけたカバン語(Portmanteau)。

パン(Pan)

パンとは、カメラの視点を左右に振る動作。

パンレフト (Pan Left)

カメラから見て、右から左へ視線を移動させる動作。

パンライト (Pan Right)

カメラから見て、左から右へ視線を移動させる動作。

ティルト(Tilt)

チルト(ティルト)とは、カメラの視点を上下に動かす動作のこと。英語で「傾ける・傾く」という意味。

ティルトアップ (Tilt Up)

カメラの視点を上方に向ける動作。

パンライト (Tilt Down)

カメラの視点を下方に向ける動作。

Up DownさせるPanという意味で、パンアップ(パナップ, Pan-Up, PANup)と言う場合もある。