『美味しんぼ』第36話「香港味勝負 後編」の感想

2021年4月6日

1989年10月31日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第36話「香港味勝負 後編」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第46話)

あらすじ

前編のあらすじはこちらを参照。

鯉魚門

訪れた山岡ら一行が香港最大の海鮮市場「鯉魚門」(Lei Yue Mun, レイユーモン)を散策していると、東南アジアからの難民と思しき幼い兄妹を見つけます。彼らは市場にも入れない零細漁民と一緒に並んで商売をしていました。山岡は2人に「ニョクマム」なるものを5時までに持ってくるよう依頼します。

料理対決の決着

両陣営はホテル「The Excelsior」(エクセルシオール)で対決をします。
両陣営の料理は引き分けを続けますが、みっつめの料理で山岡らは「ニョクマム」を使ったネズミバタの料理で楊陣営に打ち勝ちます。兄妹は最高のニョクマムを求めて、香港島の外れにあるベトナム人の家まで行ったという。

登場した料理、食材

ひとつめの料理

燕の巣のズシェン包み

冬本、楊陣営の料理。ズシェンで包んで煮込んだ燕の巣。
ズシェンと呼ばれる衣笠茸(キヌガサタケ、long net stinkhorn)の一種の袋状になっている軸の部分で燕の巣を包んで煮込んだもの。
一旦干して再度水で戻したズシェンを使う。

ウズラと燕の巣の蒸し上げ

山岡、袁陣営の料理。ウズラの腹の中に燕の巣を詰め込み、紙で目張りをした器ごとじっくりと蒸し上げたもの。

ふたつめの料理

フカヒレの饅頭

冬本、楊陣営の料理。
十分に味を染み込ませたフカヒレをスープごと煮凝らせて、饅頭の種で包んでふかし上げたもの。

フカヒレのパイ包みスープ

山岡、袁陣営の料理。
フカヒレのスープパイ仕立て。突き崩したパイ皮と一緒にフカヒレスープを食べる。

みっつめの料理

魚の清蒸(さかなのチンジャオ)

冬本、楊陣営の料理。
黒丸の斑点が特徴で、深海に棲む最高級魚ネズミバタを使った料理。中骨の際にわずかに血が残るか残らないか程度で、且つ中骨から綺麗に身が剥がれるギリギリの火加減で蒸し上げたもの。

ネズミバタの目玉と唇の清蒸

山岡、袁陣営の料理。
最高級魚のネズミバタの、更に最高級部位である目玉と唇のみを「ニョクマム」で食べる。

ニョクマム

塩漬けにした小魚から作られるベトナムの魚醤。

感じたこと

冬本陣営卑怯すぎない?

冬本らは、山岡陣営が良質なネズミバタを仕入れることができないように、香港中のネズミバタを買い占めていたことを公言していましたが、いくらなんでも酷すぎませんか?(笑)
しかも、聞いていた周りの人も「そういう勝負じゃないでしょうがっ!」って怒るワケでもないあたりにめっちゃモヤモヤしました。

士郎の言う「ハタ科のアラ」は「クエ」ではないと思う

山岡は日本のハタ科の魚「アラ」を引き合いに出して唇や目玉の美味しさを説明していましたが、これは九州の「クエ」ではなく、標準語での「、学名: Niphon spinosus」のことを言っているのだと思います。容姿もネズミバタに近いので。

一方、第14話「横綱の好物」で福岡県出身の横綱 若吉葉(わかよしば)の大好物が「アラ」だという話がありましたが、第14話での「アラ」は「クエ」だと私は考えています。

詳細は14話の感想を御覧ください。