『美味しんぼ』第18話「氷菓と恋」の感想

2019年8月15日

1989年3月6日放送、アニメ版の『美味しんぼ』第18話「氷菓と恋」をアマゾンプライムビデオで観ました。(美味しんぼTVシリーズ第19話)

あらすじ

六本木のアイスクリーム店「MIrY(ミリイ)」

文化部の栗田先輩記者である小林が転勤になったため、六本木の中華大飯店で送別会がおこなわれました。

いつものメンバー4人はその帰りにPlaza 216のMIrY(ミリイ)という六本木で流行りのアイスクリーム店の行列をみかけます。コートを着るほど寒い季節なのにアイスクリームを食べるのかという山岡に対して、栗田は「究極のメニューの担当者として、なぜこんなに流行っているのか調査する必要がある」と屁理屈を言って行列に並びます。

すると前方で銀座署の中松警部が店員と揉めていました。最近、原宿のアイスクリームハウスでも騒ぎを起こしたといいます。産業スパイだの110番だのと店員に騒がれて帰ろうとしている中松警部に栗田が声をかけると、彼は慌てて逃げ去ります。

女に惚れた中松警部

鬼の中松警部は甘いものが苦手だったはずでした。ところが恋によってそれは変わりました。「笑わないと約束してくれ」と言って告白したのに、山岡と栗田は顔を赤らめて大笑いします。

アイスクリームハウス「うたこ」

3人は、神田にある彼女のお店 アイスクリームハウス「うたこ」を訪れますが、お店には閑古鳥が鳴いていました。彼女の前で舞い上がった中松警部は「東西新聞で取り上げてもらえる」というありもしない話を持ち出しますが、彼女は乗り気ではありません。

3人がアイスクリームを食べてみると、美味しくありません。中松警部も以前からそう感じていたのに、歌子に面と向かって言えなかったために山岡らを連れてきたのでした。生クリーム、香料、砂糖、チョコレートなど原料はどれも混ぜものがない本物で、他のお店よりも高品質なはずなのに美味しくないのです。他のお店は植物で脂肪分で補ったり、混ぜ物のチョコレートを使ったりしているにもかかわらず。

中松警部曰く、「味が重たくて田舎っぽい」。

中松警部と歌子の馴れ初め

歌子は中松警部の剣道の師匠である針沢朝雲の姪御さん。師匠の妻が一昨年前に亡くなり、歌子が師匠の身の回りの世話しにくるようになったのが出会いのきっかけでした。

針沢朝雲

朝雲流道場の第十代 針沢朝雲。

歌子がアイスクリーム店を始めたきっかけ

以前、あの店は歌子の父が履物屋を営んでいました。しかし父も昨年他界してしまいました。それを期に、以前からやってみたかったアイスクリーム店を開業しましたが、それまでは会社勤めでアイスクリーム職人としての下積みはありません。イタリアとフランスに半年ほど勉強にいったものの付け焼き刃で、修行と呼べるほどのものではありません。

藁巻の断面とアイスクリームの断面

3人は朝雲流道場を訪れます。山岡は唐山陶人から正宗の名刀を借りてきていました。そして、その名刀で中松警部にアイスクリームを居合斬りさせます。

ルーペで断面を覗くと、人気店のアイスクリームの断面はスポンジのようだったのに対し、歌子のアイスクリームはひび割れた土の表面のようでした。アイスクリームの味は舌の上でサラリと溶けるところに旨さの秘訣があり、アイスクリーム内の空気の含ませ方の違いが口溶けの違いとなっていました。本物の材料にこだわった結果、コクがあるのに口溶けが悪いために、余計に重く感じるアイスクリームになっていたのです。

感じたこと

声優の配役が面白い

オーナーは水森歌子(CVは斉木かおり。当時は日本テレビのアナウンサー)。実は中松警部のCVも日テレのアナウンサー福留功男(「ズームイン!!」の人)。

そういえばアニメの美味しんぼは日テレの放送でした。とても面白い配役ですよね。

ベルギー製の「ホンマもの」?

歌子は、使用材料は良質で「チョコレートだってベルギー製のホンマものを私が自分で削って入れているんですよ」と言っているんですけど、なんで関西弁?
そう思ったんですけどよく聞いてみると「本場もの」の空耳でした。

君ら何歳ですか

「警部の歌子さんに対する心をここで見せることができるんですからね。」と士郎が言うと、中松警部と歌子は顔を赤らめます。2人が何歳か知りませんけど、いくらなんでも、さすがにウブ過ぎやしませんか(笑)